2020.01.30

楽天ユニオン、公取委に排除措置請求 4000件の反対署名も提出

公取委に署名と措置請求書を提出した楽天ユニオンの勝又勇輝代表(写真右から2人目)

「楽天市場」の出店者で組織する楽天ユニオンは1月22日、楽天が実施する「共通の送料無料ライン」などの施策が独占禁止法に抵触するとして、撤回を要求する約4000件の署名を公正取引委員会に提出した。さらに公取委へ「共通の送料無料ライン」の導入をやめさせるための措置請求書を提出した。



署名を提出する楽天ユニオンの勝又代表


「送料無料ライン」とは、注文金額に応じて購入者の送料負担を0円にするサービス。楽天は19年8月、「楽天市場」全体の「送料無料ライン」を「注文金額3980円以上」にすると発表した。

「共通の送料無料ラインの撤回要求」の署名は1766件を集めた。署名に加えて、「共通の送料無料ライン」の排除措置命令を求める措置請求書を公取委に提出した。楽天ユニオンの勝又勇輝代表は、「真摯(しんし)に対応いただけた」と提出後に述べた。

楽天の不当性を訴え


楽天ユニオンの顧問弁護士である川上資人氏は、「共通の送料無料ライン」の排除措置命令を求める理由として、「(共通の送料無料ラインは)独禁法が禁止する『経済上の利益を提供させること』に当たる。さらに、送料負担の強制による送料の損失は、出店契約を締結する際に、あらかじめ計算できない不利益を与える行為であり、独禁法の優越的地位の乱用に当たる」と説明した。



楽天ユニオンの顧問弁護士を務める川上資人氏


匿名で「共通送料無料ライン」の影響を説明する出店者は、「当社では1万1000円以上で送料を当社負担にしている。送料無料ラインを3980円にすると、平均客単価は3980円に近づくのがセオリーだ。客単価が3980円の場合、宅配料金や梱包出荷作業料、決済手数料、箱代、資材費、倉庫費用などのコストで赤字になる。実際は送料がかかっているのに、送料無料とうたわせることも良くないと思う」と訴えた。

楽天ユニオンの勝又代表は「実際は送料がかかっているのに送料無料と表示すると、店舗が景品表示法に違反しているとして、消費者庁から措置命令を受ける可能性もある」と説明する。


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