2023.06.04

カンロ、キャンディー離れのZ世代と商品開発 キーワードは10代の悩みへの「寄り添い」 

「カンロ飴」「ピュレグミ」などを開発するカンロは今年5月、高校生と共同で開発した新たなキャンディーを発売した。Z世代が抱える悩みに寄り添う商品として開発した。キャンディー離れが進むZ世代の声を商品開発に生かし、新規顧客獲得を目指す。

カンロではグミの製法を応用した菓子「マロッシュ」を始め、グミ関連商品の人気が高いという。見た目にも”映える”グミがSNSなどで話題を集める一方で、キャンディーの人気は停滞している。特に若年層には、キャンディーが「あまり魅力のない菓子」として捉えられていたという。

この課題を解消するため、カンロは「10代に支持されるキャンディーを作りたい」と考えた。Z世代と共同で商品を開発する「Z世代 飴の原体験共創プロジェクト」を開始した。

商品開発にZ世代の意見を取り入れるため、高校生のモデル兼タレントの3人を「キャンディーディレクター」に任命した。商品のコンセプトやメッセージ、フレーバー、パッケージを決めるために、約6ヵ月間に渡り、会議や試作を繰り返した。

意見をヒアリングする中で、Z世代は菓子に対して、食べ物ではなくアイテムとして捉えていることや、「映え」を意識したり、その商品からコミュニケーションが生まれることを重要視していることが分かった。日常生活で心のつながりを求めていることも判明した。

完成した新商品「透明なハートで生きたい」は、10代が抱える悩み、葛藤、孤独感に対し、キャンディーの特徴である”一定時間かけてじんわり溶け出す”特性を生かして、心がほっと和らぐ体験を提供する。


▲Z世代と共同で商品開発「透明なハートで生きたい」

「青春は楽しいこともあるが、ネガティブになることもある。どんな気持ちにも寄り添ってくれるキャンディーを開発した」(キャンディーディレクター・大塚萌香氏)と説明する。

新商品は自社ECサイトでも販売している。サイトでは、商品のコンセプトや形状・味・パッケージの採用理由などを紹介し、販売促進を図っている。

今回のプロジェクトを受けて、「Z世代への取り組みを足掛かりに、忘れがちなあめの持つ価値に光を当て、あめ市場を牽引していきたい」(カンロ・村田哲也社長)と意気込みを語る。





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