2023.05.25

健康食品メーカー、転売対策でECモールと連携 出店者アカウントの停止措置も

健康食品メーカーが、ECモールと連携して、健康食品の転売品の流通を阻止しようとする動きが進んでいる。ヤフーショッピングは5月9日、健康食品通販最大手のサントリーウエルネスの健康食品43品目について、公式店舗以外の出品を禁止した。

楽天グループでは3月、世田谷自然食品と「安心・安全・適正な流通環境の構築へ向けた包括連携協定」を締結した。現在、世田谷自然食品を含む35社のメーカーの製品について、「楽天市場」内での不適切な転売行為に厳正に対処するとしている。


商品削除や退店も


ヤフーショッピングは4月7日、ヤフーショッピングの全出店者に対して、サントリーウエルネスの商品の出品を控えるよう要請を行った。ヤフーショッピングの運用ガイドラインの「転売禁止」の規定に基づき、サントリーウエルネスの43商品を、「出品禁止に該当する個別の商品」として示した。
 
ヤフーによると、サントリーウエルネスの商品の転売を行う違反があった場合、商品の削除や、出店者の休店・退店の措置も踏まえて対応する予定だとしている。
 
ヤフーショッピングではこれまで、品質管理が担保されていないという課題があったという。ユーザーの健康被害を及ぼす可能性のある一部のサプリメントや食品について、一定の基準を設けて出品制限をすることにしたとしている。


35社のメーカーが協力


楽天グループと世田谷自然食品が3月28日に締結した協定は、「転売を抑止し、管理状態の不透明な転売品の危険性からユーザーを守ることが目的だ」としている。
 
楽天グループでは、「転売行為を規制する法的根拠はない中で、販売の制限や価格の制限を行えるかは難しい問題」(広報)としている。一方で、「食品については、適切な商品管理が行われていることが担保できず、健康被害の恐れもあるため、18年から、一般消費者向けに販売された商品を購入して販売する行為を禁止している」と言う。
 
メーカーとの連携については、「不適切な商品の流通による健康被害や権利侵害のリスクについて、2021年8月から、食品メーカー各社と包括連携協定を締結し、対策強化を推進している」(同)と言う。
 
楽天グループでは、2023年5月時点で、世田谷自然食品を含む35社の食品メーカーと包括連携協定を締結している。
 
「楽天市場」で販売される商品の安全性に関する調査や、不適切な転売行為、商品のモニタリングにおいて、連携を実施しているという。






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