2020.05.24

出口は近い!…のか!?

沈黙が続くシモキタの象徴だが…

外出自粛生活も2カ月弱が経過し、リモートワークにもさすがに慣れてきました。少しずつ以前の日常を取り戻しつつあるのか、それとも今の生活が日常になりつつあるのか。いずれにしても、普通に過ごす分には不気味なくらい平穏な日々です。

しかし、自分の余暇の大半を占めてきた「演劇」「映画」「スポーツ(観戦)」といったイベント類は、依然として先行きが不透明な状態です。高校球児による夏の甲子園大会や大型音楽フェスの中止。楽しむ側の自分は気楽なものですが、当事者のことを思うと胸が痛むばかりです。

5月21日のニュース番組からは、「出口はもうすぐです、頑張りましょう」といったキャスターの声が聞こえてきました。私としては、こうした言葉をまだまだ素直に受け入れられない現状です。彼にしてみれば与えられた原稿をそのまま読んだだけでしょうけれど。

それでも、確実に出口へと向かっているということは実感しています。自分がかつて在籍していた演劇の世界からもうれしいニュースが届きました。自粛を続けていた都内下北沢の劇場「本多劇場」の再開です。「演劇の街 下北沢」にとって、街の中心に位置する同劇場は、街の象徴と言っても過言ではない存在。市民に与える影響も大きい吉報です。

ただ、6月1日から行う再開後最初の演目は、「無観客の一人芝居」というかなり特殊なものになるとのことです。観劇のチケットは、チケットサービスのイープラスの映像配信サービスから販売されます。購入者は決められた時間にオンライン窓口に「入場」し、自宅から演劇の生配信を楽しめるという仕組みとなり、かなりECに近いものを感じます。

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本多劇場が無観客・生配信で行う新作演劇「DISTANCE」

これまでの演劇業界における映像配信サービスは、時間・場所的な事情で劇場に行けない人、抽選に外れチケットを手に入れなかった人らに向けた、いわゆる「救済措置」的な意味合いが強いものでした。しかし今回は、映像配信が唯一の観劇手段。上映後の後日配信も予定していないというコロナ禍以前では考えられない興行です。この情勢だからこそ生まれた新しい形の演劇体験と言えるでしょう。

対極にあると感じていた演劇とECですが、コロナ禍により、新しい関わり方が今後も生まれていく気がします。欲を言うなら、それらが決して代替案ではないポジティブなものであってほしいと望むばかりです。

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