2023.05.03

【注目の健康食品通販企業に聞く】トウ・キユーピー 谷川和正社長「ヒアルロン酸配合製品で外出機会をポジティブに」

トウ・キユーピー 代表取締役社長 谷川和正氏 


健康食品や化粧品の通販を手掛けるトウ・キユーピーでは、機能性表示食品と、パーツケアの化粧品の二つがきっかけとなり、大幅な増収を達成した。同社の2022年11月期の売上高は、前期比25%増の50億円となったとしている。2022年8月には、通販の基幹システムを大幅に刷新。顧客コミュニケーションの幅を拡大している。「ヒアルロン酸を配合した製品を提供し、アクティブでイキイキとしたポジティブな毎日を応援したい」と話すトウ・キユーピーの谷川和正社長に、前期の業績を振り返ってもらうとともに、EC強化の戦略についても聞いた。



機能性表示食品とパーツケアの化粧品が躍進


――2022年11月期の業績について聞きたい。

当社の2022年11月期の売上高は、前期比約25%増の50億円だった。「肌のうるおい」を訴求する機能性表示食品「ヒアロモイスチャー240」の伸びが顕著だった。パーツケアの化粧品「ハンデコルテ」も、売り上げが非常によく伸びた。2製品の躍進が、増収の要因となったとしている。

コロナ以降、通販業界全体で売り上げがベースアップした。当社も例外ではなかった。

当社では、2021年の成長率が最も高く、2022年の成長率は若干鈍化した。

原材料価格や電気代、燃料代といったエネルギー価格が上がっている中でも、営業利益は計画を達成した。

企業経営が厳しい中で、今期(2023年11月期)も、前期比10億円の増収を目指している。

――躍進した製品のニーズについて聞きたい。

パーツケアの「ハンデコルテ」は、キユーピー独自開発の機能性ヒアルロン酸を配合した、手と首の肌のケアを訴求する化粧品だ。当社が得意とする新聞広告やインフォマーシャルのオフライン媒体でうまく顧客に刺さった。

「ハンデコルテ」は、オフライン経由の新規顧客の割合が8割、ECが2割となっている。2023年11月期中は、ECでの顧客獲得に注力している。

現在の顧客層は、オフラインが60~70代。オンラインは40~50代となっている。

当社の主力商品は独自開発のヒアルロン酸を配合している。ヒアルロン酸市場全体のニーズが、やや拡大傾向なのだと考えている。

ヒアルロン酸=化粧品という認知度の方が高い。少しずつ、ヒアルロン酸配合のサプリの認知度も上がってきている。新しい打ち出し方を検討していきたい。

美容成分でいえば、コラーゲン市場の方が、伸び率が高そうだ。

――オンライン強化の戦略について聞きたい。

大前提として、お客さまを無理やり引き留めるやり方ではなく、自然と継続率を高める施策を打っていく。

オンラインの比率を高めるためには、サイトの回遊性を高め、UI(ユーザーインターフェース)の満足度を高める必要があると考えている。

商品ごとのランディングページの情報の精度を高めつつ、本サイトの回遊率を高めていく。

2022年8月には、基幹システムの更新を行った。既存の基幹システムから、新基幹システムへと、データ移行が完了した。

新しくできるようになったことは、「自動化」だ。例えば、お客さま専用のマイページの機能を更新し、マイページ上で、別商品の提案が一部自動でできるようになった。定期顧客で、当社の公式LINEアカウントに登録しているお客さまには、自動でメッセージ配信できるようにもした。

広告の効果測定も精度が高くなった。今後、基幹システムの刷新を、オンライン広告と絡めた形で活用していきたい。

オンラインは強化しているものの、オンライン比率はまだまだ高くない。オンライン上で、当社の商品とマッチする顧客に、適切に情報が届いていないのだと感じている。

オンラインで獲得した顧客は、オフラインで獲得した顧客に比べて、定期購入の継続率が高い傾向がある。

――今期の目標を聞きたい。

我々が追求しているのは、「どれだけ社会に貢献できる製品を提供できるか」ということだ。我々は、ヒアルロン酸配合のサプリや化粧品で、お客さまにもっとポジティブになってほしいと考えている。

コロナがようやく落ち着き、外出する機会も増えるだろう。そんな時、手や首元のケアや、肌のうるおいをケアする意識が高まってくるだろう。当社のヒアルロン酸配合の製品を使っていただき、ポジティブに生活してほしい。今期はそんな思いを少しでも実現したい。





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