2023.05.06

【注目の健康食品通販企業に聞く】医食同源ドットコム 影山耕太課長「中国での日本製サプリメーカーの存在感を再び」

医食同源ドットコム 通販事業部 課長 影山耕太氏


医食同源ドットコムは、中国で知名度が高い日系の健康食品メーカーだ。中国のECプラットフォームのデータ分析を手掛けるNint(本社東京都)によると、2019年の「天猫国際(T-モールグローバル)」の「海外栄養補助食品」ジャンルでは、「ISDG(医食同源ドットコム)」の製品が、月間売り上げ1位に何度もランクインしていたという。医食同源ドットコムによると、2019年の中国の健康食品EC市場は、「ISDG一強だった」としている。医食同源ドットコム・通販事業部の影山耕太課長に、コロナ以降の中国の健康食品EC市場の変化と、同社の対応について聞いた。



中国の健康食品は「ISDG一強」


――医食同源ドットコムの中国での健康食品の展開について聞きたい。


当社は、中国での販売事業を手掛ける姉妹会社に、健康食品を卸販売する形で、中国市場に対して健康食品を供給してきた。

主力商品は、「夜間Diet酵素」などの酵素サプリメントシリーズだ。

当社の製品が中国で最も売れていたピークは、2019年ごろだった。当時は、「日本のサプリメント=ISDG」という印象を持っている人も少なくなかったと考えている。中国国内でブランド力をかなり高めることができていた。

2019年当時、日本国内でも、「代購」と呼ばれるソーシャルバイヤーが、当社のECサイトで製品を購入し、中国国内へ持ち込んで「タオバオ」などで販売していた。当社の国内の健康食品通販の売り上げは、代購によるところが大きかった。

中国人は、日本のドラッグストアや「楽天市場」などで流行しているものを購入する文化がある。

日本のドラッグストアの棚で商品が並んでいて売れていれば、中国国内でも売れるという流れがある。

当社はもともと、ドラッグストアなどの店販での流通を長年手掛けてきた。

中国で確かな存在感を築けたのも、店販での流通があったからだと考えている。
 

出荷ベースで20%減


――コロナ以降の中国での健康食品の販売状況はどうか?


当社は商品を姉妹会社に卸している形なので、中国国内での流通を細かくコントロールしているわけではないが、当社からの出荷ベースでいえば、コロナ以降、中国向けの売り上げは20%程度減少している。

中国では2019年にコロナが流行を始めた。それによって、健康食品のニーズが高まった。一方で、中国越境ECに進出する日本の大手健康食品メーカーが一気に増えた。

中国のEC市場で重要なのは、ライブ配信でさまざまな商品を紹介するKOLだ。コロナ以降、知名度の高いKOLが、さまざまなメーカーのサプリメントを紹介するようになった。

結果的に、「ISDG一強」の時代ではなくなってしまった。

日本国内の健康食品の売り上げについても、ピーク時の10分の1程度に落ち込んでしまった。当社の国内通販は、中国のソーシャルバイヤーに支えられていた。コロナで中国インバウンドが来なくなってしまったことが、落ち込みの要因だ。


「信頼」武器に生き残りへ


――コロナ以降の落ち込みを立て直す戦略は?

中国市場においては、改めて当社の存在感を高めていく。

中国では、コロナ以降の3年間で、日本製のサプリが広く出回った。一方で、「日本製=いいもの」という印象ではなくなりつつある。

当社は、これまで中国国内の市場で認知されてきた実績がある。「信頼」と「効果」という認知を武器に、機能性に着目した製品を新たに投入し、改めてシェアを取りに行く。

中国EC市場については、「今後縮小し、さまざまなブランドの自然淘汰が始まる」という見方もある。その中で、当社はこれまでの実績を武器に生き残っていけると考えている。





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