2023.05.02

【プロテイン通販大手に聞く】エクスプロージョン 大谷憲弘CEO「若者に安価なプロテインを アマゾンでアワードも受賞」

エクスプロージョン 大谷憲弘CEO


プロテインのECを展開するエクスプロージョンは、「世界最安値への挑戦」を掲げている。2022年12月期中のプロテインの販売数は、前期比20%増となったという。「Amazon.co.jp 販売事業者ワード 2022」の最優秀賞も受賞している。2023年には、プロテイン専用の自社工場を稼働させ、供給体制をさらに拡大していくという。「若者にもっと手軽にたんぱく質を取ってもらいたい」と話す、同社の大谷憲弘社長に、今後の展開について聞いた。



前期は20%超の増収


――プロテインのECの業績が急拡大していると聞いた。


2022年12月期の売上高は、前期比20%以上の増収となった。コロナ禍のダイエット需要を取り込めたことや、当社のプロテインが手に取りやすい価格であるという認知が拡大していることが、増収の要因となった。

当社は、アマゾンや楽天などのECモールを中心に、プロテインを販売している。当社の製品の強みは、あくまで価格だ。価格以外は、差別化のポイントがないとさえ思っている。価格でお客さまとコミュニケーションをとっているとも考えている。

私が学生だったころは、プロテインの価格がとても高く、手に入りづらかった。プロテインのECを始めたのは、そうした経験があったからだった。

若いうちは、食生活も乱れがちになる。プロテインに含まれるたんぱく質は、スポーツの用途だけでなく、日常生活においてもとても重要だ。

「学生や、社会人になっても競技を続けている人に、もっと手軽にプロテインを摂取してもらいたい。そして、日本の競技のレベルを高めたい」という考えから、当社を起業した。

学生時代に栄養学を学び、たくさんの研究者と話し合った結果、プロテインは高付加価値である必要はなく、安くていいのだという結論に至った。プロテインからはタンパク質さえ摂取できればいい。他の成分は、他のサプリからとればいいと考えた。

とはいえ、おいしくなければ続けて摂取することは難しい。

 

ユーザーは若い男性


――貴社のプロテインについて聞きたい。

当社の売れ筋の製品は、「X-PLOSION ホエイプロテイン ミルクチョコレート味3kg」だ。

価格は税込7199円となっている。大手メーカーのプロテインと比べると、30~40%割安となっている。

他のプロテインブランドは、ブランドイメージや広告で印象付けたり、別の成分を付加したりして価格を高める傾向があるが、当社は安値を追求している。

味は、ミルクチョコレートやブルーベリーなど一般的なものから、キャラメルホワイトチョコ、モンブランなど、25種類以上を展開している。日々、新しい味を開発している。杏仁豆腐味は、他のメーカーでも見られるが、おそらく当社が最初に開発したバリエーションだ。

メインユーザーは、20~30代の男性だ。スイーツ系の味が増えたことにより、女性からの支持も広がっている。

――プロテインは原料価格の高騰が叫ばれているが。

原料価格は確かに上がってきており、当社でも製品価格に反映している。ただ、素材の価格はその時々によって、安くなることもある。当社では、「素材の価格が最終製品に反映される」仕組みを導入している。ユーザーには、より買いやすい価格で提供できるようにしている。

プロテインのメーカーは、広告中心で展開しているケースが多い。当社は、広告投資はほとんど行っていない。広告投資の代わりに、少しでも価格に反映させることにより、口コミで広まるよう、戦略を立てている。
 

最大生産可能量は2200トン


――今後の戦略は?

現在、複数のOEM会社にプロテインの製造を委託しているが、需要過多によるリスクを回避するため、自社で工場を持つことにした。

4月に、北関東に建設した、プロテインの自社工場を稼働させた。

自社工場の月間生産量は約1100トンを見込んでいる。生産量は最大で2200トンまで対応できる。

工場はフルオートメーション化した設計となっている。プロテインの生成・混合・充填といったほとんどの工程を、人間の手を介することなく行える。

今後は、プロテインのOEM事業も開始する予定だ。私は、プロテイン市場は今後もますます伸びていくと考えている。

私個人としては、学生や若者に安価で安全なおいしいプロテインを飲んでほしいと強く思っている。

工場をフル稼働させ、さらなる需要の増加に応えられるよう、会社として成長していきたい。




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