パーソナライズサプリメントのD2Cを手掛けるSuppleno(サプリノ)は2022年12月、「日本サブスクリプションビジネス大賞2022(以下、サブスク大賞)」の特別賞を受賞した。受賞をきっかけにテレビ番組で取り上げられたことから、受注数が大幅に拡大しているという。「認知が拡大していることから、今後は、資金調達をするなどして、自立した経営体制を構築したい」と話す、サプリノの堤朗子CXO(チーフ・エクスペリエンス・オフィサー)と若松孝浩COOに、「サプリノ」のサービスの拡大状況について聞いた。
19種類のサプリからカスタマイズ
――「サプリノ」のサービスについて教えてほしい。堤:サプリノは2021年9月に開始した、分析型パーソナライズサプリメントのサブスクリプションサービスだ。オンライン上のライフケア分析の結果に基づき、ユーザーの悩みに応じたサプリメントを、毎月配送している。
ユーザーは、「サプリノ」のECサイト上で、23項目の「ライフケア分析」の質問に回答する。回答結果から、ユーザーの抱える健康上の課題を見える化する。ユーザーの課題に合わせて、19種類のサプリの中から、4種類のサプリを提案する。
若松:4種類の内2種類は、「ベースサプリメント」として、「マルチビタミン」「マルチミネラル」を、男性用と女性用に分けて提供する。
残りの2種類を、「目的別サプリメント」として、「zzzケア」や「生活リズムケア」「エナジーケア」などの15種類のサプリから選ぶことができる。
サブスク大賞受賞で受注数伸びる
――2022年には「サブスク大賞」も受賞したが、影響は?堤:サービス開始から1年余りで「サブスク大賞」を受賞したおかげで、事業のフェーズが大きく変わった。
まず、受賞したことでユーザー数が拡大した。日本テレビの朝の人気番組「シューイチ」で取り上げられた際には、翌日の新規の受注数が普段の30倍に伸びた。その中でも、継続して契約してくれているユーザーはかなり多い。
若松:「シューイチ」だけでなく、「サブスク大賞」に関連したワードで検索して当社のECサイトに来訪し、申し込んでくれる人も増えている。
堤:お客さまの層が、以前と比べて大きく変わった。
これまでは、インスタグラムをはじめとしたウェブ広告経由で興味を持って契約していただくお客さまが多く、美容意識の高い女性や、ママ世代が多数を占めていた。
「サブスク大賞」受賞後は、男性や年配の女性も購入してくれている。
自立した経営を確立
――今後の事業目標は?若松:事業開始から3年後の2025年3月期には、売上高として18億円を上げることを掲げている。事業開始からまだ1年半だが、「サブスク大賞」にも取り上げられ、認知が拡大していることから、目標は現実的になってきている。
今後、事業への投資やマンパワーの確保、サービスラインアップの拡充といった、「ヒト・モノ・カネ」を増やしていけば、事業はスケールしていけると考えている。
堤:現在、親会社の井藤漢方製薬から出資を受ける形で事業を展開しているが、近い将来、独自に資金調達するなどして、自立した経営をしていきたいと考えている。商品は引き続き親会社からの供給を受けつつ、安定したパートナー関係を築いていきたい。