2020.05.26

コロナでECのスタンダード化は幻想?

ECがスタンダードになるには物流が課題

コロナの影響による外出自粛で、「ECの利用がスタンダードになる」と予想する人が多いです。一方で、「コロナが収束すれば、また元の暮らしに戻るだけで、ECがスタンダード化することはない」と予想する人もいます。もちろん、商品カテゴリーや、個々の事業者などにもよるでしょう。

筆者は、ECがスタンダードといえるほどまでになることはないと思います。ただ、普段の買い物の比重を、店舗からECへと移す人は、多くなるのではないかとも思います。

スタンダード化しないと考える一番の理由は、物流です。消費者にとっては、「送料がかかる」「受け取りに手間がかかる」といった課題がありますし、事業者側にも「ドライバー不足」などの問題があります。置き配の普及が進んだり、まとめ買いをする消費者が増えたりすれば、物流関連の問題の一部は解消できるかもしれません。ただ、すべての消費者が、そうした賢い消費を行うようになるとは考えづらいのです。

例えば、ネットスーパーやアマゾン、ロハコで前日に予約しておけば、夕食の材料やトイレットペーパーなどを、手軽に購入できます。ただ、はじめて使う人にとって、ECでの購入に慣れるまでのハードルは低くはないでしょう。

とはいえ、ECの利用率が格段に上がるのは間違いありません。筆者の周りのEC企業からも、「ECを初めて利用したという顧客が増えている」という声をよく耳にします。

EC事業者はこの機会に、利用者をどうやって囲い込んでいくか、改めて戦略を練り直してみた方がよいでしょう。新規顧客獲得のための広告の出稿先や、既存顧客へのCRM施策、システム投資などについて、見直しを進めていくことが、以前にもまして重要になっているといえるでしょう。

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