2023.02.24

【注目の物流支援】SBフレームワークス、返品情報を可視化 収益つなげる「もの・ことロジ」が好評

写真左からSBフレームワークスのロジスティクスソリューション兼統括営業部 高﨑洋輔部長、企画推進室 黒田奈菜星氏、フルフィルメント事業本部 本部長 清水要執行役員


物流事業を手掛けるSBフレームワークスは2022年11月、EC企業が課題とする返品に着目した新しい物流ソリューション「もの・ことロジ 3PL・返品分析サービス」の提供を開始した。返品に特化した課題解決型BPOサービスで、返品の原因を分析して可視化し、そこから得られたファクトをもとに荷主と共に改善策を検討し、最終的に収益の改善を実現していく。返品状況が多角的に可視化されることから、サービスを利用する荷主から高評価を受けつつ、新たな気付きを得られる機会にもつながっているという。「もの・ことロジ」を主導する高﨑洋輔部長と黒田奈菜星氏、清水要執行役員に話を聞いた。



――3PL・返品分析サービスとは?


高﨑:ネット通販で発生する「返品」に着目した支援サービスです。返品が発生してしまう背景や原因を解析し、その状況を可視化します。可視化したデータをもとに荷主と協議し返品率の改善などを行い、最終的には収益の改善につなげていくものとなっています。また、滞留している在庫を可視化して、返品された商品が使えるかどうかの判断を迅速に行い、滞留在庫の無駄を抑制します。商品ごとの在庫回転率も可視化し、商品構成の見直しなども促しています。

黒田:返品対応は、企業ごとに異なるものの後回しにされがちな業務です。後回しにすることで、本来売れる商品が在庫として滞留するだけでなく、新商品であれば日を追うごとに商品価値が下がってしまいます。後回しにする時間が長くなるほど、在庫として残るため、セール販売などの対応となり、結果として収益にも影響が出てしまいます。

清水:3PL・返品分析サービスは「もの・ことロジ」の第2弾となるサービスです。返品に焦点を絞ったサービスですが、物流業務におけるロスを減らしていくことが起源となっています。他社と差別化を図る施策でもありますが、単なる物流会社ではなく、新しいソリューションを提供できる会社であることの認知を拡大していく狙いもあります。

高﨑:返品対応と通常の物流業務を併走する会社は他にもあります。しかし、当社のように返品状況を解析した後、可視化した情報をもとに荷主の収益改善を支援するソリューションと返品実務を一括して提供しているのは、当社だけかと思っています。



ーー3PL・返品分析サービスは、荷主の業務負担軽減にもつながるのでは?

高﨑:荷主は通常業務で忙しいことが多く、業務も含めた返品管理はどうしても後回しになってしまうのが実情です。その部分を当社が代行するため、業務負担の軽減につながっていると思います。

「もの・ことロジ」は、返品の原因を分析して改善するソリューションであるため、返品率の低下や再販率の向上、不良在庫の保管コスト削減などの付加価値もセットになっています。返品管理を支えることは、荷主側へのメリットだけでなく、広域的に見れば消費者にも直接影響しますので、企業価値の向上にも貢献すると考えています。

――返品に困っている企業は限られるのでは?


清水:販売するアイテムによっては多少限られるかもしれません。また、返品業務だけ対応しているのであればさらに絞られるでしょう。しかし、当社の場合は返品について、商品を軸にした「もの」、情報の「こと」という流れで見ているため、支援できる領域は広くなります。また、潜在的なニーズも含めて返品に悩む企業が多いことも分かっています。

当社が取り扱うアイテムは、ICT機器やIoT製品、スマートフォンのアクセサリー関連商品などが多いです。ICT機器では、動作不良などもありますので、これが返品理由の一つになります。また、アパレルやシューズなどのファッションECで見れば、サイズや色合い、試着してみたら違った、などいろいろな要因から返品が発生するかと思います。

多角的に見ると、業種やアイテムに限らず、返品が発生する原因がいたるところにあります。この原因を俯瞰して分析し、荷主側に提案することはどの業種にとっても価値のあるサービスだと判断しています。

ーー現在、取引実績はどうか?

黒田:7割がグループ企業、3割が外部企業となっており、BtoBとBtoC物流の両方に対応しています。また、全体の15%がEC関連の荷物となっており、2万超のアイテムを取り扱っています。

IoT やモバイル製品などが多いですが、家電や日用品、雑貨、キャンプ用品、一部はアパレル用品もあるため、どの業種に対しても隔たりなく対応しています。ただ、冷凍・冷蔵品や化粧品などは倉庫の関係上取り扱いができないのが現状です。

――各システム会社やモールとの連携はどうか?

高﨑:大手ECモールなどと連携は可能です。当社は、一元管理できる自社システムを持ち対応していますが、他企業のシステムなどとも連携できるようになっています。

――返品に続く次のソリューションなどはあるか?

清水:ローンチする時期は未定ですが、次に展開するのは、在庫を可視化するサービスを予定しています。これまでに「もの・ことロジ」で蓄積してきた在庫に関するデータを応用するソリューションです。返品のみならず、在庫全体の傾向を可視化するレポーティングを行い、収益改善の提案を、物流側の視点からできればと考えています。

 
■「もの・ことロジ」サービスページ
https://www.sbfw.co.jp/business/monokotologi/

■「もの・ことロジ」へのお問い合わせ
https://www.sbfw.co.jp/contact/







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