2023.02.22

新時代のD2C・ECプランニングとは?【KASCADE 西部執行役員×Innovation & Communication 吉村代表】


2023年、コロナ禍を経て、D2C・Eコマース・通販業界では、顧客の行動変化に対応するためのビジネスモデルの進化が続いている。マーケティング重視のモデルから、「顧客中心主義」として、購入後のCX:顧客体験を高めるビジネスモデルを採用するトレンドが国内外で勢いを増している。Z世代を中心とした購買行動の変化に注目が集まる「ビジネス設計と運用」のポイントについて、CRMコンサルティングで実績豊富なMOLTSグループのKASCADE 執行役員 西部好範氏と通販コンサルティングのInnovation & Communication(イノベーション&コミュニケーション)の吉村典也代表に聞いた。



消費者から顧客への購買行動が大きく変わっている


――コマース業界のビジネス環境はどのように変化していますか?

西部:みなさんが実感されているように、マーケット環境は、コスメなどのサブスクリプション(単品リポート通販モデル)から、アパレルなど、どのカテゴリーにおいても参入企業数の増加に伴うマーケティング費用の増大と、CLTV(顧客生涯生産価値)の低下という顧客行動の変化などで、事業の成長のためのスキルとノウハウを実直に実行できることが大切になってきました。

吉村:従来、ビジネス基盤として、メーカーや小売店舗を展開されて、デジタルコマースにも参入されたパターンと、D2Cモデルでデジタルコマースから参入された場合でも、西部さんのご指摘の環境要因によって、売り上げ目標の数字が小さくなりつつあること、売上=顧客数がグロースをする時間軸とそれに必要なキャッシュフローは増えています。

西部:そのために、施策ドリブンでコマース事業を成長・活性化したいとのご要望をいただくことがありますが、それでは継続的に成長出来ないので、ビジネスのウエイトを、CRM-CXに中心に再設計をして、基本的なことを確実に実施できるスキル人材とそれを活かせる体制の構築をご一緒に創っていくことを強くお伝えしています。


顧客に響くコミュニケーションをデザインし改善し続ける


――基本的なこととはどんなことでしょうか?

西部:私はスタートアップ・新規事業こそチャンスがあると捉えていて、何故なら「商品コンセプト×ターゲット×CRM」を考え抜いて~お客様に響くコミュニケーション設計~について“0”から実施できるからです。

そのために、「EC立ち上げTODOリスト」 を活用して「見える化」をしています。無料提供していますのでご連絡ください。

吉村:まさしくそうですね。コピーキャットビジネスで成長する方法もありますし、エクジット目的で展開するビジネスもありますが、D2Cモデルの基本を考えて実行しないと成長はないと思います。既に事業を展開されているケースや、リアル系のチャネルがあってマルチチャネル・オムニチャネル化する場合は、“0”→“1”という視点を持って行動できるかがポイントです。

そして、新規顧客からの顧客価値が高まっていますので、西部さんの言われているCRMの重要さが今まで以上に高まっています。


基本がしっかりできている事業に失敗はない


――新時代のCRMとはどんなことですか?

西部:2つのCRMがあります。購入されたばかりのお客様に行う「初期CRM」と長く続けていただくために行う「継続CRM」を、必要なことを有効なコミュニケーションを、お客さまのセグメントにあった「シナリオ」を優先順位の高い施策を採用しながら構築していくことです。



吉村:成長している事業者のCRM行動は、20年前からもパターンは変わってはいなくて、新規マーケティングとしては、商品コンセプト×ターゲットの部分であるUSP(自社が持つ独自の強み)とそれを伝える心理的に決定を下すように促す感情的な反応を植え付けることです。ギミックを実施して顧客をだますことではありませんが、これを狙い過ぎているのが現状です。それにコホート別の実績データを提供するのが、顧客の「購買後」に行われる「コミュニケーション」ですので、CRMを設計して運用してデータをとることが重要です。CRMをオファーやキャンペーンと一緒に捉えている場合が多いですが、それは別ものになります。

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