本紙がまとめた「ファッションEC売上高ランキングTOP110」では、昨年に続きユニクロが1位だった。ユニクロは実店舗とECが連動したセールを毎週のように展開。注文全体の44%まで高まった「店舗受け取り」がECサイトの利用を促している。
パルは実店舗のスタッフによるコーディネート(コーデ)画像の投稿を強化し、ECや実店舗の集客力向上に成功している。SNSやコーデ投稿の成果でスタッフを評価する仕組みを導入したことが成長に寄与した。
店舗やスタッフといったリアルの力を引き出すためには、デベロッパーの協力も不可欠だ。テナントの売り上げからロイヤリティーを徴収する商業施設では、リアルとネットの融合は実現しにくい。
ブランドの多くは、「渋谷パルコ」のような今のユーザー感覚に合わせた、デジタルに根差した商業施設が増えることを期待している。
アダストリアやユナイテッドアローズのシステム移行時のトラブルも尾を引きそうだ。今後は安定志向のシステム移行が増える傾向となりそうだ。
「日本ネット経済新聞」2019年11月28日号には110位すべてを掲載している。 ランキング完全データの販売はこちら
【調査方法】
ファッションEC売上高ランキングは、18年9月~19年8月の間に迎えた決算期における、ファッションEC事業の通期売り上げをもとに作成した。モール型サイトは除外している。ファッション商材には、「アパレル」「下着」「靴」「バッグ」「アクセサリー」「ベビー服」「中古アパレル」などを含む。実店舗、商品卸、カタログ通販などを行う企業にはEC売上高を聞いた。
【表の見方】
◇「※」は本紙推定、「-」は不明か算出不能、「▲」はマイナス。
◎の付いた企業の注記は次の通り。
◎GLADD=フラッシュセールサイトを運営する子会社、ギルト・グループの売上高を含む推定値
◎ZOZOUSED=11月1日からZOZOと合併
◎バロックジャパンリミテッド=決算月を1月から2月に変更したため、13カ月間の変則決算
◎良品計画=EC売上高に衣服・雑貨の売上比率を掛けて算出