2023.01.22

帝国ホテル、コロナ渦にネット通販売上が3倍増 品ぞろえやSNS活用を強化

スイーツやグルメ、オリジナルグッズなどを販売

2023年に開業133周年を迎える帝国ホテルは、コロナ禍にEC売り上げを急拡大している。2020年3月期のEC売上高は前期比3倍近くに伸びている。商品ラインアップの拡充に加えて、SNSを効果的に活用したことで、顧客獲得が進んだという。

帝国ホテルのECサイトでは、スイーツやグルメ、オリジナルグッズなどを販売している。2010年にECサイトを開設し、ターゲットである中高年層に向けて、分かりやすいサイト作りに注力している。

「ホテルでの接客と同様に、丁寧に分かりやすく、お客さまに寄り添ったサイト作りを心掛けている。誰が見ても分かりやすい案内は、対面ではもちろんだが、非対面だからこそ、より丁寧にすることに注力している」(外販事業部 販売企画課 担当者)という。

2020年は一つのターニングポイントだったという。コロナ禍により、外出が制限されたことで、会えない遠方の人へのギフト需要や、巣ごもりを充実させるための自家需用が高まったという。ホテルを利用したことのない人もECサイトに多く訪れた。


▲菓子類も人気商品

コロナ禍にホテルのシェフが手掛けたグルメ商品が売れた。店頭でしか販売していなかったグルメ商品の一部を、ECサイトでも分かりやすく買えるようにした。

コロナ禍にSNS活用にも力を入れた。インスタグラム(インスタ)では、海外顧客に向けて英文で投稿していたが、フォロワーの大半を占める日本のユーザーに向けて日本語の投稿を増やした。

インスタのフォロワーは、2020年4月から2021年の3月の1年間で1万人増やすことに成功した。2023年1月10日時点のフォロワー数は6万人いる。

2022年6月には、ボタン一つでユーザーをECサイトの購入ページに誘導できる機能「ショップナウ」を導入した。インスタからECサイトへの流入が徐々に増えてきているという。フェイスブックにも「ショップナウ」を導入している。

「SNSに『ショップナウ』を導入することにより、ホテルを利用したことのない新規顧客の獲得につなげられている。実店舗は60代がメインだが、ECは40~50代がメイン。SNS利用で30代の顧客も増えてきている」(同)と話す。

今後は若い世代にアプローチを続け、ホテルとの接点作りに注力していく。

「手に取りやすい商品からホテルの存在を知ってもらい、さらなる認知拡大につなげたい」(同)と考えている。





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