2023.01.25

【有識者に聞く!2023年の市場展望<メタバース>】ISSUN 宮松利博代表「メタバースでの複数人の買い物に期待」


ECコンサルティング会社のISSUN(イッスン)の宮松利博代表は、「メタバース(仮想空間)」の活用方法を自ら検証している。実際の経験に基づいた「メタバース」活用の可能性や、具体策について教えてもらう。


「メタバース」といえばMeta(メタ)を連想される方は多いでしょう。かつて米国がアポロ計画に費やした258億ドルを超える360億ドルもの規模でメタバースに投資し、VRヘッドセット「メタ・クエスト2」は世界中で圧倒的ユーザー数へと成長した。法人向けには「将来ノートパソコンと入れ替わるビジネスデバイス」としてハイスペックVRヘッドセット「メタ・クエスト・プロ」を発表し、注目を集めた。

一方、メタのメタバース空間「ホライゾン・ワールド」は世界中で酷評の的となり、月間ユーザー数は増えるどころか、年初の30万人から20万人へと減少の一途をたどった。挙げ句には、メタバースだけでなく、DAO、ブロックチェーン、NFTといった、Web3関連ワードも期待ほど盛り上がらなかった、という印象だ。

では、どうすればメタバースを始められるのか。代表的なサービスは「cluster(クラスター)」や「ZEPETO(ゼペット)」です。単発のイベント会場を知識なしでも数分で作成することが可能だ。ただ、「クラスター」の場合、営利・非営利に関わらず1回のイベントに100万円以上かかります。「DOOR(ドアー)」はほぼ「クラスター」と同機能で無料なので試してみるには良いサービスだ。

逆に、「VR-CHAT(ブイアールチャット)」やオープンソースの「hubs cloud(ハブスクラウド)」は、多少のスキルを要する反面、自由度が高いメタバース空間を構築できる。例えるならワードプレスを使ってECサイトを構築するようなものだ。

開発会社に依頼するタイプとしては、ECに特化したメタバースサービス「V-air(ブイエアー)」や「CYZY SPACE(サイジースペース)」などが代表的。 筆者がメタバースECに期待している点は「メタバースなら、2人以上で買い物体験できる」という点だ。

多くのECやギフトのアンケートから、「1人より2人のほうが購入を即決しやすい」「親と一緒に買い物するほうが楽しい」ことが分かっている。例えば仮に、今、メタバースに没頭しているのがお金のないZ世代であったとしても、お母さんと離れた実家のおばあさんをメタバース空間上に誘って、3人でメタバース上の百貨店と若者向けファッションビルを行き来し、それぞれが好む買い物を楽しむことが可能となる。

今年はさらに「行動解析のパーミッション取得」「会話ログ収集」「AI接客ボット」などにもトライしてみたいと考えている。いずれにせよ、まだメタバース空間を運営されたことがない方がいらっしゃれば、ぜひメタバース体験していただければと思う。



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