2022.12.20

アスクル、中間期の通販売上は5.4%増 BtoBは商品・販促の拡充で増収 「ロハコ」は減収も通期黒字化へ順調

決算説明会で業績を説明する吉岡晃社長(写真中央)

アスクルの2022年6‐11月期(中間期)における通販売上高は、前年同期比5.4%増の2155億1100万円だった。品ぞろえと販促の拡充により、BtoB事業は増収となった。BtoC事業では、出店するヤフーのECモールの販促施策の変更などの影響で減収となった。

BtoB事業の売上高は、同7.0%増の1814億1700万円だった。ボトル飲料や観光・飲食業店向けの生活用品商材、抗原検査キットなどの新型コロナウイルス感染症関連商材を幅広く取りそろえ、売り上げ拡大につなげた。戦略的に強化しているMRO(工場・建設現場・倉庫などで使用する間接材)商材も新型コロナウイルス感染症関連商材などを中心に販売を伸ばした。

ネット広告などの販促を拡充し、新規顧客の獲得を強化している。動画広告などの新たな施策も集客拡大につながっているという。

アスクルWEBサイトのリニューアルについては、開発に遅れが生じている。2023年5月期中の新サイトの開設を予定していたが、2025年5月期にずれ込む予定。先行して中堅大企業向けのWEBサイト「ソロエルアリーナ」のリニューアルを2024年5月期中に開始する。開発工数の超過により38億~46億円の追加投資を実施する。

「開発のフェーズはおおむね 80%を終了している。今、テストのフェーズに移っており、断言はできないが、今までのような大きなぶれは、今後はないだろうと考えている。売上高伸長の高い効果が見込まれる『ソロエルアリーナ』を先に移行し、効果を最大化することを優先させる」(吉岡晃社長)と話す。

2022年7月、これまで会員限定だった「ソロエルアリーナ」の一部機能のオープン化を先行して実施したことで、検索サイトからの流入が増え、売上高の向上につながっているという。


「ロハコ」念願の黒字化へ


BtoC事業の売上高は、同2.1%減の340億9400万円だった。日用品ECサイト「LOHACO(ロハコ)」の売上高は、同4.4%減の254億100万円になった。海外顧客からの購入の減少や、ヤフーショッピングの販促施策の変更による影響により、減収になった。

「ロハコ」は今期の黒字化達成を目標にしている。今秋、送料無料ラインを改定したり、まとめ買いを促進したりすることで、収益構造が大幅に改善しているという。

「『ロハコ』の短期施策としては、構造転換ができたことを受け、これまで抑制していた販促投資を進めることと、基本サービスのクオリティーをさらに向上してリピート率を上げること。これまでは大型販促を行うたびに物流サービスに波動が生まれ、お届け遅延を発生させてしまいリピート率には課題があった。それが、さまざまな施策により、配送遅延を生じさせない平準化が進んでいる。中期目線では、これまでも品ぞろえを絞り込んだり、スクラップ&ビルドをしたりしてきたが、BtoBとの在庫共用を含めて品ぞろえを拡大していく。現状ではドラッグストアのアイテムが多いが、例えばホームセンターなど異なる業態の品ぞろえを増やしていくことを考えている」(同)と話す。

ロジスティクス事業の売上高は、同0.1%増の42億2700万円だった。外部企業の物流業務受託が増え、売上高は順調に推移している。





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