2022.11.24

【ユミルリンク 渡邉取締役に「キューノートFC」好調要因を聞く】ファッションECとの親和性高く

ユミルリンク 取締役マーケティング本部 ゼネラルマネージャー 渡邉弘一氏


阪急阪神東宝グループで、メール配信システム「Cuenote(キューノート)FC」を提供するユミルリンクの業績が好調だ。近年はEC企業を中心に、コスト削減を目的にしたメール配信の導入事例が目立っている。2022年1‐9月期(第3四半期)においても2桁の増収増益を達成した。マーケティング本部・ゼネラルマネージャーの渡邉弘一取締役に、業績好調の背景について聞いた。



――2022年1‐9月期(第3四半期)の業績は?

売上高は前年同期比15.2%増の16億2200万円、営業利益は同28.8%増の3億7100万円、四半期純利益は同36.5%増の2億5600万円だった。SMSは純第2四半期中に販促用途の顧客による大規模な配信があったため、その反動で減少した。

メール配信サービスは、ECサイトや電子書籍サイトへの新規導入などで月間のメッセージ配信数が引き続き増え、9月度は69億通を配信した。月間解約率は平均0.38%の低水準を維持している。

――EC企業の導入の状況はどうか?

新規の導入と既存企業の状況は順調で、大きな変動はない。最近はスイーツ専門通販サイト「Cake.jp」が導入した。従来はマーケティングオートメーション(MA)を使っていたが、当社を導入したことでコストが7割削減できたようだ。MAでは、配信数に応じたコストが負担になるようで、キャンペーンを増やせば、それだけコストがかかってしまっていた。

当社は定額でサービスを提供しているため、キャンペーンの実施回数に限らず、マーケティングツールとしてその企業に応じたタイミングで活用できるメリットもある。作業的な負担も少なく、メール配信したい対象リストを連携するだけなので、それほどの負担にはならない。ECの場合は事業を長く継続するほど、配信数が多くなるため、事業規模が大きくなるタイミングで当社に切り替えるケースも目立っている。

――ファッションECについてはどうか?

ファッションECとの親和性も高いため、利用するEC企業は多く、タイムセールや新着商品のPRを打ち出す機会となっている。SNSで認知を広げて、メールで購買という訴求が目立ち、それぞれのマーケティングツールで役割を分けているような印象だ。

――SMSの活用も増えている。

既存顧客の掘り起こしを狙った活用も目立っている。最近では、お試しで利用した企業で、想定以上の成果につながり、導入に至ったケースがある。

人件費などコスト削減を目的に、配送の通知や問い合わせの対応などで利用することも出てきている。従来は、コールセンターから架電していた業務をSMSに代替しているようだ。ユーザーに「伝える」という手段であれば、SMSを活用することでコスト削減にもつなげられる。

――EC業界の見通しについては?

EC市場は堅調だが、海外では徐々に停滞感も出てきている。日本では、コロナ禍で追い風になっているところもあるが、人口の減少も含め、市場の頭打ちも懸念される。その中で、現状のマーケティングツールを使い、コストをかけて売り上げを追うような事業形態も難しくなる可能性もある。

必然的にコストを少し見直すという動きになってくる。最近では、当社の新規案件の多くが、コストの見直しをきっかけに導入する企業となっている。求められるEC企業のニーズに対して、課題を解決できるようなサービスの提供を続けたい。





RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事