2022.11.13

「アルトタスカル」、バリアフリー子ども服を販売 「ハローキティ」の新作はTwitterの反響2万超え

「ハローキティ」デザインのバリアフリー服

子ども服の販売を行うチルドレン通信は、自社ブランド「アルトタスカル」で2021年3月から、医療的なケアが必要な子ども向けに「バリアフリー服」を販売している。

同社のデザイナーに医療ケアが必要な子どもを持つ人がおり、服の「種類がない」「売っている場所がない」「値段が高い」という悩みをもとに企画された。実店舗やネットで取り扱っている事業者が少ないため、既存の服を使いやすいようにリメークして着せている親が多いという。

病気や障がいにより、装着している器具の大きさや部位が異なるため、求められる洋服のタイプはさまざまだ。中でも、器具が付いていても脱ぎ着しやすい前開きタイプの物の需要が多い。シャツや肌着は、乳児のカバーオールのような作りで、子どもを寝かせた状態で簡単に着せることができる。パンツも同様、前開きタイプのものを販売している。

ブランド「アルトタスカル」では、一般の子ども服も販売している。裏表や前後がなく、どこからでも着られる服「ぜんぶおもて」シリーズのほか、睡眠時や動き回る際に腹が出ないよう、丈が長く作られている肌着「おなかでぬ」など、機能性を重視した洋服を展開している。

一般の服と同じ生地を使用し、バリアフリー服を製造してコストを下げ、市販品と同じ価格で提供している。

参鍋開人社長は、「市場自体は大きくない。売り上げを上げることよりも、必要としている人に、ブランドの存在を知ってもらいたい」と話す。ブランド認知は口コミがほとんどだという。医療ケアが必要な子どもを持つ親同士のつながりが強く、SNSなどのネットワークで広がっている。他にも、親から情報を得た病院や施設から、パンフレットを置かせてほしいなどの問い合わせもある。

10月5日にバリアフリー服の新作で 「ハローキティ」デザインの前開きトレーナーを販売した際、ツイッターで2万以上の反響があった。現在まで、バリアフリー服にキャラクターデザインがなかったことなど、当事者だけでなく多くの人に知ってもらえるきっかけになったとみている。

今後も、バリアフリーにかかわらず、育児中の悩みに対して「あると助かる」商品を展開していく考え。ECだけではなく卸にも対応し、店舗で選ぶ楽しみを感じてもらえるよう、オフラインでの販路も広げたいとしている。





RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事