2022.10.03

アップル流通、新倉庫竣工で対応能力向上 質・量の両面で進化図る

福井県本社隣接地に竣工した新倉庫外観

福井県と福岡県に複数の物流拠点を置き3PL事業を行うアップル流通は2021年12月に、福井県の本社隣接地で4300平方メートルの新倉庫を竣工、対応能力を向上させた。福井県と福岡県に物流拠点を構えている点も好評だという。

同社では、低コストでありながら、誤出荷率1ppm(100万分の1)以下を達成するなど、高品質なサービスを実現している。ギフトラッピングなど、手間のかかる包装への対応能力の、さらなる向上にも取り組んでいる。同社の物流サービスは、質・量の両面で進化を続けている。


物流支援体制、着々と


同社では、通販・EC企業の物流を支援する体制を着々と整えている。

年間650万件超の出荷実績を達成しており、通販案件の約8割を、健康食品・化粧品が占めるという。化粧品・医薬部外品の製造業許可を取得しているため、化粧品・医薬部外品の、ラベルの貼り付け、セットアップ・アッセンブル、ロット管理、チラシの同梱なども、拠点内で行える。

2022年7月には高度管理医療機器等販売業の許可を取得。これによりコンタクトレンズや体温計などの取り扱いも可能となった。医薬部外品・化粧品から高度管理医療機器まで、ワンストップで対応できるようになった。

2021年10月には、3台目の自動梱包機を導入。新たに導入した自動機では、日本郵便の「ゆうパケット」だけでなく、ヤマト運輸の「ネコポス」への対応も可能だ。通常稼働だけでも、1台で1日に8000件超の荷物に対応できるという。

2021年2月には、福井県内に260平方メートルの冷蔵倉庫も開設した。こちらも稼働率が高まっており、現在増床を検討中だという。


包装サービスを強化


同社では、今年に入ってから、ギフト・中元・歳暮などの包装サービスの強化に取り組んでいる。同社スタッフが、「包装のプロ」のセミナーを定期的に受講するようにしたという。スタッフがそこで学んだ包装ノウハウは、セミナーに参加できなかったスタッフにも水平展開している。同社スタッフの中には、〝包装のスペシャリスト〟が増えているという。

包装対応の能力が高まったことから、対応できる業務の幅が広がったとしている。同社では「包装紙や箱、のし紙、気泡緩衝材、袋などを使って、1品ごと個別に複雑な包装をしないといけない案件もある。従来はそうした案件はお断りするしかなかったが、現在はお受けしている」(生川英邦営業企画部部長兼東京営業所長)と言う。陶磁器など、1品ごとに中身の検品が必要となる案件なども受けられるという。

同社の〝包装のスペシャリスト〟が行う包装の品質の高さは、クライアントからも好評だ。「折り曲げた包装紙の端がぴったりそろう、包装紙にしわが入らないなど、細かな部分にクオリティーの差が出る。大切な人に贈るギフトは、きちんと包装したいという声が多い」(生川氏)と話す。


価格競争力が強み


同社の最大の強みは、価格競争力の高さにある。福井県内の物流拠点の土地代は、関東エリアに比べると約半分で、顧客企業にその分をコストメリットとして提示できるという。福井県というロケーションからくる翌日配送エリアの広さも強みだ。

福井・福岡の2拠点分散出荷も可能。福岡の拠点からは、九州各県の消費者に、翌日配送が可能だという。同社では「首都圏の物流拠点を利用してきた通販事業者が、BCP(事業継続計画)の要請などもあり、西のエリアへと物流拠点を分散させる動きを加速させている」(生川氏)と話す。

同社では、東京営業所の機能も強化している。常駐する人員を1人新規採用。さらにフットワークの良い営業対応ができるようになったという。


・アップル流通
https://www.web-apple.jp/







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