2022.09.29

【楽天25周年記念インタビュー 第3回〈後編〉】澤井珈琲「自販機やコンビニより身近な存在になる」


澤井珈琲が運営する「澤井珈琲 Beans & Leaf」は、「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)」を過去13回受賞している有力店舗だ。店長である澤井理憲常務取締役自身も「ベスト店長賞」を5回受賞している。後編では、「楽天市場」のナンバーワン店長と言っても過言ではない澤井常務の店舗運営術に迫った。【前編はこちら】



――「ベスト店長賞」を5回も受賞できている要因は?

どうやったら1円でも多く売れるかを20年間考えています。お客さまが商品を買うときは、「知っている商品を買うか」「知っている人から買うか」の2通りしかないと思っています。だからこそ、大企業はテレビCMをたくさん放送して、「知っている商品」に育てていこうとしています。

当社は昔からそこまでの資金がありませんので、それならば私自身を知ってもらうしかないと考えました。当時、主流であったメールマガジン(メルマガ)や販促活動にずっと取り組んでいるのもそのためです。メルマガは多い年には、年間500通くらい配信しています。

アパレルの店舗などでは、色や形も異なるさまざまな商品があるので、メルマガも作りやすいと思いますが、当社は今月の新商品も黒い豆ですし、来月の新商品も黒い豆です。もはや色や形で見せられるものはないので、いろいろネタを考えて、メルマガを書いています。

クレーム対応も私がすべてやっています。違う商品を送ってしまったというようなときは、私がお客さまに電話でお詫びします。ご年配のお客さまだと、逆に感動してくださることもあります。水戸黄門から電話が来たような反応で、「恐れ多いです」と言われ、こちらの方が恐縮してしまいます。

鳥取県民はシャイな人が多いので、私が前面に出た方がスタッフにとっても良いのです。クレーム対応のようなきつい仕事も私が率先してやろうと決めています。クレームは対応次第でファンになってもらえるチャンスですし、スタッフが自己判断で対応するのも難しい面があるので、私が対応した方が良いのです。


▲「澤井珈琲 Beans & Leaf」の人気商品

――他にも「澤井珈琲」を知ってもらうために、取り組んでいることはありますか?

「コーヒーを飲みたい」と思ったときに、わざわざGoogleで検索し、個人情報を打ち込み、届くまで何日も待つ人はいません。皆が近くの自動販売機(自販機)かコンビニエンスストア(コンビニ)に行くと思います。ですので、当社のライバルは自販機やコンビニです。

自販機やコンビニよりも身近な存在になるため、常にメールボックスには当社のメルマガがあるようにしようと思い、メルマガをたくさん配信しています。

他にもコーヒーの芳香剤を入れた香り袋を開発し、その香り袋を購入者全員に同梱しています。「下駄箱に入れてくださいね」と書き添えています。

お客さまが朝起きて、スマホを開いたら当社のメルマガがあり、出社しようと下駄箱を開けたら当社の香り袋があり、そして職場では当社のコーヒーを飲んでいただくのが理想です。

このような取り組みを続けているため、当社のサイトに流入する際の一番多い検索ワードは「澤井」です。「コーヒー」よりも「澤井」で探してアクセスする方の方が多いのです。

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