2022.09.22

【楽天25周年記念インタビュー 第3回〈前編〉】澤井珈琲「借金の形のパソコンで開設、20年で売上30億円超に」

澤井理憲常務取締役に聞く


「楽天市場」開設25周年記念インタビューの3店舗目には、「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)」の常連である「澤井珈琲 Beans & Leaf」が登場する。澤井珈琲の澤井理憲常務取締役が、1人で店舗を立ち上げ、今では「楽天市場」での売上高は30億円を超え、スタッフも160人以上いる。開設当初の悪戦苦闘から、成長のきっかけをつかむ経緯までを澤井常務に聞いた。



――「楽天市場」に出店した経緯は?

澤井珈琲は40年前に両親が脱サラして開店したコーヒー専門店です。私が入社したときは3店舗運営していました。島根県の松江市にある店舗を任され、当初は売り上げも順調に伸びていましたが、全国チェーンの店舗が進出してくるようになり、売り上げが日に日に落ちていきました。


▲「楽天市場」でドリップコーヒーなどを販売

そんなときにネットで「『楽天市場』に出店すると月商100万円上がる」というバナー広告を見つけました。「本当に100万円上がるのかな」と検討したのがきっかけです。

2002年に出店しましたが、当時の私はサイト運営の知識がなく、GIFやJPGもHTMLもよく分からない状態でした。親が出してくれたのは出店料だけでしたので、パソコンを買うこともできませんでした。

当時はパソコン1台買うのに、20万~30万円かかったので、気軽に買うこともできませんでした。家電販売店に務めていた友人がノートパソコンを持っていたのですが、その友人に5万円貸していたことを思い出し、借金の形(かた)としてノートパソコンをもらい、それで「楽天市場」に出店できました。

アイスコーヒーのケースを3つ並べて作ったデスクにノートパソコンを置き、「サルでもわかるホームページの作り方」という本を参考に「楽天市場」の店舗を作りました。

両親からは全く信用されていなかったので、店舗名に「澤井珈琲」と入れることも許してもらえませんでした。仕方なく、「コーヒー紅茶専門店 Beans & Leaf」という店名でスタートしました。「澤井珈琲」と名乗らせてもらえたのは、月商1000万円を超えてからです。

出店初日に母親から、「あなたの店はどうなの。名前は『Beef & Pork』だったっけ」と言われたのを今でも覚えています。

――出店してすぐに売れましたか?

最初の1点が売れるまで45日かかりました。今でも初めて注文をいただいたお客さまの名前を覚えています。「うちの店で買うなんて世の中には珍しい人がいるもんだな」と思いました。

月商100万円にいくまでは、10カ月かかりました。2002年12月に初めて月商100万円を突破したのです。100万円超えてからは、再び停滞し、月商300万円を超えるのには、3年かかりました。

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