2022.09.16

MOON-X、シリーズBで22億円を調達 ベビー&マタニティブランド「kerätä」を買収

MOON-Xは9月13日、野村スパークス・インベストメントが資産の運用を受託している日本グロースキャピタル投資法人を引受先とした15億円の資金調達を実施した。2022年7月に実施したシリーズB初回ラウンドでの総額7億円と合わせ、シリーズBで調達した資金は22億円になった。今回調達した資金は、さらなる共創型M&Aの推進と、それを支える人材の採用に活用し、ミッションである「ブランドと人の発射台となる」の実現と日本経済への貢献を目指す考えを示した。

2019年創業のMOON-Xは、「ブランドと人の発射台となる」をミッションに掲げ、自社ブランドの立ち上げ・育成、他社ブランドの成長支援・DX支援、共創型M&Aを通じて加わったブランドの成長まで、テクノロジーを活用して日本のブランドをエンパワーする事業を展開してきた。

このほど、2022年7月に実施したシリーズB初回ラウンドでの総額7億円の資金調達に加え、新たに野村スパークス・インベストメントが資産の運用を受託している日本グロースキャピタル投資法人を引受先とした15億円の資金調達を実施した。

これにより初回・セカンドラウンドを含めた現時点でのシリーズB資金調達で22億円を調達し、今後、実施するエクステンションラウンドと合わせてトータル30億円の調達を目指すとしている。

野村スパークス・インベストメントは、野村ホールディングス及びスパークス・グループの出資により、2021年4月に設立された資産運用会社。近年増加する成長ステージにある非上場企業による資金調達ニーズを背景に、個人投資家を含む日本の投資家へ成長資金の調達機会に対する投資機会を提供するため、非上場企業のIPOを含む成長支援等に強みのある野村グループと、非上場企業株式へ投資するベンチャーキャピタル事業を含む資産運用業務で幅広い実績を有するスパークス・グループが提携し、設立された。

MOON-Xが合理的な資本の配分によりM&A先を選定し、EC業界の課題を発展的に解決すると同時に消費者へ価値を届け、中期的な成長を実現することへの期待が、今回の資金調達に至った背景だとしている。

MOON-Xが提唱する共創型M&Aは、どちらかがもう一方に吸収合併されるM&Aとは異なり、ベストなパートナーシップの模索や永続的なブランド構築を目的としており、2022年9月には調達した資金を活用し、ベビー&マタニティブランド「kerätä」を展開するケラッタとの統合を完了した。

「kerätä」は、大手ECサイトの各アイテム別売上ランキングで1位を獲得するなど、利用者目線で作られた信頼のモノづくりをテーマに、代表製品である抱っこ紐やベビー寝具・家具、おむつ用品、マタニティ・ケア用品、さらに親子で楽しむクラフト用品まで幅広いラインナップを展開している。今後はMOON-Xが持つデジタルやブランディング領域におけるノウハウ、他カテゴリーで培った知見も活かし、ママパパに「寄り添い共感」し、信頼されるトップブランドを目指してさらなる進化を図る。


▲ケラッタ Founder相談役 田中文彦氏(左)、MOON-X 代表取締役CEO 長谷川晋氏(右)

MOON-X CEO/Co-founder 長谷川晋氏は、「今回、統合の縁をいただいた『kerätä』は、長野県松本市のブランドですが、日本全国にはお客様に愛され、そして大きな成長の可能性を持った素敵なブランドがたくさんあります。共創型M&Aを通じて、そのようなブランドをエンパワーする中で、地方経済、日本経済の発展に寄与するような取り組みを加速させていきたいと思います」とコメントした。

今回調達した資金も活用し、今後も大きな成長の可能性のある日本の中小企業・EC事業者のブランド発掘とエンパワーメントを目指し、それを実現するための人材の採用や組織の強化に取り組んでいく考えを示した。全国各地で日本のモノづくりを体現するようなECブランド・ECビジネスの創出・成長に貢献することで、日本経済の発展に寄与するとしている。

今回の資金調達にあたり、野村スパークス・インベストメント 投資運用部長CIO 秋田一太郎氏は、「日本のEC市場は成長余地が大きい一方、ECモールのブランドはリソース/ノウハウの不足やIT化の遅れなどで本来のポテンシャルが発揮出来ていないケースが散見されます。MOON-X様は、長谷川CEOのリーダーシップのもと、ECモールでブランドを展開するノウハウと経験を持った役職員が多数在籍し、実践的視点で信頼を構築しながらM&Aを行う点に強みを有しています。当社は、MOON-Xが合理的な資本の配分によりM&A先を選定し、EC業界の課題を発展的に解決すると同時に消費者へ価値を届け、中期的な成長を実現することを期待しております」とコメントした。

MOON-X CEO/Co-founder 長谷川晋氏は、「このたび、シリーズBセカンドラウンドの資金調達を発表できることを心より嬉しく思います。『資金循環の更なる効率化による成長企業の支援・育成強化と日本経済の成長へ貢献』という素晴らしい理念を掲げている野村スパークス・インベストメント様に応援をいただきながら、ミッションの実現に邁進します」と述べた。




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