2022.09.19

【連載〈第4回〉】新規獲得するには?矛盾のないBIの落とし込みがカギ

私、工藤一朗(くどう・いちろう)が代表取締役を務める株式会社ライフェックスではこれまで、通販・ECをはじめとした、数多くの企業のブランディングの構築から新規獲得、CRMまでを一気通貫で支援し、成功に導いてきた。この連載では、アフターコロナの新規獲得に関するノウハウを、余すところなくお伝えしていきたい。

前回はブランドの一貫性のあるコミュニケーション戦略や、ブランドエクイティの重要性についてお伝えした。


【前回記事リンク:https://netkeizai.com/articles/detail/6934


今回は新規顧客獲得において重要なポイントや、今後求められるマーケティングについてお話していく。
 

購買に至るまでの導線づくりをする


BtoCでのEC市場規模は年々拡大しており、比例して広告規制も強まっている。そんな中、今までどおりの広告運用をすれば確実に新規顧客がとれるのか、というと答えはノーだ。

そこには、これまでのやり方に加えて、やらなければならないことがある。

新規獲得にあたって重要なのは、「テクノロジーの活用」と「マインド」の両立である。

効果的な広告運用を、テクノロジーを活用して実現するのがアドテック。多くのテックブランドの考え方に沿った最新のテクノロジーや、テクニカルな要素は必要と考える。

例えばテクニカルな要素でいうと、今であれば、チャットボットが活発化していることが挙げられる。ブランドとして活用する・しないを判断した上で取り入れるべきである。LP(ランディングページ)のPDCAの活用も同様だ。

しかしそのときに、CPO(新規顧客の獲得単価)だけを指標にして、新規を取ってしまうのはおすすめしない。広告だけでCPOを下げようとすると、後にいろいろな矛盾やムラがでてくるからだ。

マインドの部分であるLTV(顧客生涯価値)を考えて「利益構造的にどうバランスをとれるのか」に重きをおくべきと考える。そのため、ブランドとして「どのように認知されたか」「どのように興味を持ってもらったか」「どうやって購買に至ったか」の導線づくりが重要である。この導線づくりは「カスタマージャーニーマップ」や「パーセプションフロー」という言葉がよく用いられる。

テクニカルな要素に加え、購買に至るまでの導線をしっかり考え、新規顧客獲得の仕組みを作るのがベストである。

当社でもブランディングが重要という認識に変わりはない。一方で、テクニカルな部分でいえば、チャットボットのシステムやLINE連携ツールも開発している。 


・チャットフォーム「CONVEX」

・LINE連携サービス「LIneON」


利益がどう出ているのかの全体図・ビジネスモデルを俯瞰するプランニングを行ったうえで、新規顧客獲得を目指すことが望ましい。

ライフスタイル・趣味趣向・価値観に合わせた訴求をする

広告において、従来は性別や世代別でのセグメントが一般的であった。

世代別でいえば、50代・60代がハマるメディア媒体と、10代・20代がハマるメディア媒体には相違があり、以下のような特徴があると言える。


・60代以上のシニア世代・・・マス広告への信頼が厚い

・10代・20代・・・広告ギライ・広告離れ
 

しかしブランドのターゲットを考えたとき、現代においては、は性別・世代だけのセグメントだけでは効果が乏しい。

「商品・サービスの価値に対して、どういった人から共感を得られるのか」

これを考えると、注力すべきメディアの選定や新規顧客獲得の手法が変わってくる。

どういうライフスタイル・趣味趣向・価値観の人が、商品に共感を持ってくれるのか、を考えるていくと、どのSNSやメディアを使ったらよいかが分岐されていく。

世代ごとに馴染みのあるメディアはある。世代別に広告をかけたり、施策をおこなったりすることは否定しない。しかしそれにプラスして、ライフスタイル・趣味趣向・価値観に合わせた訴求も必要であると考える。

例えば、単にLINEの広告が好調だから、LINEの広告を出稿するのではない。

「果たして自社の商品やサービスが、この広告手法でしっかりパフォーマンスが出せるのか?」

こういった意図を考えるべきである。

各SNSには、得意な領域・特徴がある。それぞれの媒体を有効活用するようなパーセプションフロー・手段が求められているといえるだろう。

RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事