2022.09.12

はぴロジとCBcloudが協業 年内にオープン型のラストマイル配送サービス「コネット便」提供

はぴロジとCBcloudは9月9日、相互の知見を活用した新たな配送サービスの提供に向け、基本合意書を締結した。物流拠点やラストマイル配送など両社が強みを持つ分野のリソースとノウハウを活用し、3PL事業者とともに実現するラストワンマイル配送サービスを構築し、EC時代の物流ニーズに対応を図る。

あらゆるカート・モール・受注管理システムとWMS(在庫管理システム)を繋ぐ流通インフラプラットフォームを提供するはぴロジは、物流システムに関する知見やそのグループ企業が有する物流拠点ネットワーク力を強みとしている。一方、運送業界のIT活用による自動化・効率化を促進するCBcloudは、全国4万人以上の軽貨物ドライバーネットワークを有し、機動力・拡張性のあるラストマイル配送「PickGo(ピックゴー)」、物流現場の生産性向上および業務効率化のITソリューション「SmaRyu(スマリュー)」を手がけた知見を持つ。

このほど両社は、新たな配送サービスの提供に向け協業開始した。今回の協業により、双方のノウハウを結集させ、3PL事業者とともに実現するオープン型のラストマイル配送サービス「コネット便」の提供を2022年中に開始する。荷主企業のWMSシステム(倉庫管理システム)との連携により、高い配送品質を担保しつつ、柔軟なリードタイムで集荷やラストマイル配送を実現する。



「コネット便」が掲げるオープン型については、多くの荷主企業や物流企業に参画してもらうことで、国内物流網の新たな枠組みを生み出し、荷主企業、運送会社・ドライバーがWin×Winとなる物流プラットフォームを形成。将来の購買行動の変化や物流を活用したサービスの変化、それに伴い生み出される付加価値を参画企業と共に構築し、より良いサービスへと変革させ、持続可能な物流構造を多角的な目線で発展させることが、両社の目指すオープン型プラットフォームの姿だと示した。

荷主企業に提供する付加価値として、物量変動が大きく、繁忙期に負担がかかりやすい人口密集地域において、既存配送インフラとは別の新たな手段を確保しておくことで、物流波動によらない安定的かつ良質な顧客体験を提供できる点。消費者ニーズに合わせて柔軟に集荷・配送リードタイムを設計できることから、顧客体験の差別化や満足度向上に貢献できる点。両社の強みを持ち寄ることで、コスト競争力と配送品質・安定性の両方を担保したサービス設計が可能な点を挙げた。

一方、運送会社やドライバーに対する付加価値として、それぞれ異なる強みを有する両社が独立系のオープン型プラットフォームを構築することで、持続可能なラストマイル配送インフラ/エコシステムを構築可能な点。宅配業務効率化システム「SmaRyuポスト」を活用し、ドライバー、1人ひとりの効率的な運行と配送品質の担保を実現。経験の浅いドライバーでも宅配業務に従事できる環境を作り、人手不足の解決を目指す点を挙げた。

2022年中に東京23区を中心とする首都圏に向けて提供を開始し、2023年以降に1都3県、ならびに大阪・名古屋など地方主要都市へのエリアを拡大するとしてる。


▲順次、エリアを拡大

近年、EC荷物の取扱量が大幅に拡大している中、購入者に物・サービスが到達する物流の最後の接点であるラストマイル配送は、今後もさらに需要が伸びていくものと予想される。その一方で、物流業界では慢性的な人手不足や生産性向上の課題に加え、トラックドライバーに対する時間外労働の上限規制適用(いわゆる「2024年問題」)やインフレによる燃料価格高騰により、安定的かつ持続的な配送サービスの提供が困難となっている。さらに消費者の消費行動の変化、通信テクノロジーの進化、少子高齢化、働き方の多様化などから、持続性の高いラストマイル配送インフラを求める声は大きくなっている。

こうした背景を受け、はぴロジとCBcloudは、物流課題の解決と荷主のニーズを叶える次世代型ECの物流サービスを提供するため、相互の知見を活用した協業の合意に至ったとしている。

両社は、9月13日~9月16日にかけて「東京ビックサイト」で開催される「第15回国際物流総合展2022 Logis-Tech Tokyo 2022」に出店。CRE内はぴロジの展示ブースとCBcloudの展示ブースにて「コネット便」についても紹介を予定している。




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