2022.09.06

アダストリア、EC専用の物流センター刷新 AGVなど最新のマテハン機器導入、最大で1日3.4万件出荷

アダストリアは9月1日、物流子会社のアダストリア・ロジスティクスが運営する茨城西物流センター内のEC物流センターを全面リニューアルし、本格稼働を開始した。オークラ輸送機が提供する、AGV(自動搬送ロボット)による歩行レスピッキングシステムや、PTI・LED仕分け機などのマテハン機器を導入し、1日3万4000件出荷できる体制を整えた。

【<画像12点>リニューアルしたEC物流センターの様子】

アダストリアは、成長戦略に「自社ECの成長加速と楽しいコミュニティ化」を掲げている。自社ECサイト「.st (ドットエスティ)」の2022年2月期の売上高は311億円、会員数は1400万人を超え、着実に成長を続けている。

アダストリア・ロジスティクスが運営する茨城西物流センターは、倉庫全体の面積が約1万5000坪あり、toB(店舗)物流センターが約9000坪、toC(EC)物流センターが約6000坪を占めている。


▲茨城西物流センター

今回、自社ECサイトのさらなる成長拡大に対応するため、出荷業務の効率化とスタッフの作業負荷低減による働きやすさの実現を目的に、EC物流センターにAGV120台、POD(移動棚)1400台をはじめとするマテハン機器を導入し、全面リニューアルした。今回のリニューアルにより、1日あたりの出荷可能件数は、従前の最大1万9000件から最大3万4000件に増加し、作業生産性は現状の運用と比較して約1.6倍の向上を見込んでいる。


▲クイックシャトルストレージ(左)、送り状自動投入(中)、1件ずつ手作業で梱包し、ユニソーターへ(右)

リニューアルにあたりテーマとしたのは、「“人”が主役の物流センター」だという。マテハン機器・システムメーカーのオークラ輸送機と協力し、30以上のマルチブランド展開や、アパレル・生活雑貨・コスメ・インテリアなど多岐にわたるマルチカテゴリー展開をするアダストリアグループの事業特性を踏まえながら、最適な機械化・自動化の形を設計している。

ピッキング作業においては、約6000坪の広い倉庫内を歩き回って商品を探す必要がないよう、“人”が歩かないことを念頭に棚の配置や導入機器を設計・選定している。


▲120台のAGV(自動搬送ロボット)が稼働するGTPエリア。人は歩かず、棚が手元に運ばれる

その一方で、割れ物の梱包やギフトラッピングなど、働く“人”の手を介することで、受け取る“人”にとっての付加価値を生む作業に、充分に人員を配置した。これまで以上に正確、迅速、そして丁寧に、顧客のもとへ商品を届けることを目指す。


▲PTI・LED仕分け機。LEDライトのガイダンスに従って、オーダー別に仕分ける

このほか、従業員休憩室も全面改装し、ブランド店舗の内装デザインを手掛ける社内の店舗デザインチームにより、ファッション企業らしいオシャレで居心地の良い空間をデザインしている。


▲従業員休憩室。照明や床材にもこだわり、ファッション企業で働く楽しさを感じられるようリニューアルした

アダストリア・ロジスティクスでは、今後も“人”を主役に、安心・安全な環境を維持しながら、物流需要拡大の時代に対応し、顧客へ安定した高いサービスを提供していく考えだ。




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