2022.09.03

発酵食品ブランド「ORYZAE」、顧客目線の新商品開発で売上16倍 「米麹グラノーラ」がヒット 

発酵食品の販売を手掛けるアグクルのEC売上高が急拡大している。フードブランド「ORYZAE(オリゼ)」にて、「米麹グラノーラ」を開発し、販売を促進したところ、多くの新規顧客獲得に成功。2022年4月期のEC売上高は前期比16倍に伸長した。

「オリゼ」は「手軽に腸活を」がコンセプトのこうじ食品ブランド。2020年11月にECサイトを開設したが思うように売り上げが伸びず、当初はEC運営に苦戦したという。

「当社としては『こうじを好むような健康に配慮している女性』は毎日、料理をし、料理も上手だと考えていた。だが、実際に販売してみると、全員が料理上手ではないことや、仕事終わりに料理に時間を割くことが難しいことなどが分かった」(小泉泰英代表)と振り返る。


▲小泉泰英代表

そこで手軽にこうじを摂取できる商品として、「米麹グラノーラ」の開発に着手した。2021年7月にテスト販売を行い、同10月に本格販売を開始した。

「テスト販売で手応えを得た。販売開始後、2日間で在庫は完売。顧客獲得単価も、2500~3000円に落ち着き、当初販売に注力していた塩こうじと比較すると、約5分の1の費用で新規顧客を獲得できた。簡単にこうじを摂取できることがヒットした理由だ」(同)と説明する。

注力商品の変更だけでは、継続的な売り上げ拡大にはつながらない。リピーターの獲得につながる仕組み作りに注力している。消費者に飽きを感じさせない「限定商品の販売」や、「アグクルだから購入する」という仕組み作りに取り組んでいる。

「自社調査で商品を3回購入すると、その後はブランドのファンとして根付いていくことが分かった。継続して購入してもらうための施策に注力している」(同)と話す。

限定商品では、「米麹グラノーラ」の新しいフレーバーを販売した。10月はカボチャを使用したハロウィーン限定フレーバー、11月はピスタチオを使用したクリスマスフレーバー、3月はほうじ茶フレーバーなど、顧客を飽きさせない商品展開を意識した。

社内にSNS担当も置き、インスタグラムで消費者から寄せられたDMには、全て手動で返信している。同社の商品がタグ付けされたら、欠かさずお礼のコメントを入れているという。

「地味だと思われるかもしれない。だが、この顧客に新鮮さを感じてもらえる商品ラインアップと、顧客に寄り添った対応が、売り上げ増加につながっている。実際に『米麹グラノーラ』の累計販売数は、1年間で20万食を超えた」(同)と語る。今後は、法人向けの販路拡大にも乗り出していく計画だ。






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