2022.09.01

【購入後にチャンスあり】ECの「配送追跡」「返品対応」にイノベーション到来 まだあった改善余地!


米国で「Post purchase(ポストパーチェス=購入後)」に特化したソリューションが台頭し、EC業界で普及しつつある。国内では宅配会社任せの「配送追跡」を自社で提供することで、追加購入を促すことができる。「返品対応」も手軽に実現できるようにすることで、再購入の比率を飛躍的に高めることが可能だという。購入後ソリューションのパイオニアといわれる「Narvar(ナーバー)」が米国から日本に進出し、日本発の「Recustomer(リカスタマー)」も導入企業を伸ばしている。今後、国内でも普及する可能性が高い購入後ソリューションを深掘りする。


米国のNarvarは、アップルやウォルマートでサプライチェーンの責任者を務めていたアミット・シャルマ氏が2012年に設立した。「ポストパーチェス」に特化したサービスを世界で初めて開発したという。

Narvar Japanの飯沼勇生社長は、「シャルマはECで『ポストパーチェス』の体験が置き去りにされている点にフォーカスし、サービスを開発した。現在ではグローバルで1200を超える事業者にサービスを提供している。日本でもアシックスなど23社が導入している」と話す。


▲グローバルでの「Narvar」導入ブランド

Narvar Japanは2021年1月から国内事業を開始し、同年夏ごろからサービス提供を開始している。

「ポストパーチェス」に特化したプラットフォーム「Narvar」は、宅配会社が提供している配達予定日や配送状況の情報を、ブランドごとに最適化した特設ページ上で顧客に伝えることができる。配達予定日を分かりやすく紹介しているため、米国では配達日に関する問い合わせが半減した実績もある。


▲配送追跡や返品受付をブランドごとの特設ページで対応できる


追跡ページで次の購入を提案


追跡ページを活用し、売り上げ拡大も実現できるという。

「購入者全体の40〜80%が特設の追跡ページで配送状況を確認している。米国では商品が到着するまで5回ほど購入者が追跡ページに訪問する。配送のリードタイムが短い日本でも平均3.4回は訪れている。追跡ページに来たユーザーの平均18%が、マーケティングバナーをクリックし、ブランドのECサイトに遷移している」(飯沼社長)と話す。


▲Narvar Japan 飯沼勇生社長

追跡ページに訪れるユーザーは、すでにECサイトで買い物し、住所やクレジットカードを登録した顧客なので、潜在的な購入転換率も高い。

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