2022.08.31

New Commerce Ventures、国内初のコマース領域特化VCファンドを始動

小売・流通のDXを支援するNew Commerce Venturesは8月31日、国内初のコマース領域特化VCファンド、New Commerce Explosion投資事業有限責任組合を組成し、コマース領域のスタートアップ支援とスタートアップと事業会社をつなぐコミュニティ活動を開始した。スタートアップ支援と事業会社のオープンイノベーション支援により、小売・流通業界全体の発展に貢献を目指す。

New Commerce Venturesは、小売・流通をDX・SXするスタートアップを対象とするコマース領域特化VCファンド、New Commerce Explosion投資事業有限責任組合を組成し、活動をスタートした。領域特化ならではの価値提供により、小売・流通をDXするコマース領域のスタートアップの事業成長を支援する。また、スタートアップと事業会社を繋ぐコミュニティ活動を通じて、事業会社のオープンイノベーションを支援する。

小売・流通業界は、消費者ニーズに合わせたEC化・オムニチャネル化、人手不足解消のための自動化や省人化、環境問題対策のためのカーボンニュートラル・サーキュラーエコノミー対応など、デジタルトランスフォーメーション(DX)やサステナビリティトランスフォーメーション(SX)が求められている。しかし、日本の小売・流通業界のDXは海外に比べ遅れており、EC化率は8.1%と先進諸国に比べ低く、デジタル競争力は世界27位と低迷を続けている。



海外では、小売・流通をDXするスタートアップとの協業により事業会社のDXが加速している。このオープンイノベーションの創出において一翼を担っているのが領域特化VCだ。領域特化VCは、領域特化による専門性の高いノウハウやネットワークにより、スタートアップを支援するとともに、スタートアップと事業会社を繋ぐことで事業会社のDXを支援している。

国内においても領域特化VCは多く誕生しているが、小売・流通領域(=コマース領域)に特化したVCは存在していないとし、New Commerce Venturesは国内初のコマース領域特化VCとして、スタートアップの支援、スタートアップと事業会社を繋ぐコミュニティにより、小売・流通業界のDXへ貢献する考えを示した。

スタートアップに対する支援では、ベンチャーキャピタルとして、コマース領域のブランド・マーケットプレイス・イネーブラーを対象としてシード~アーリーを中心にオールステージのスタートアップに出資を行う。

コマース領域のプロフェッショナルである「NCVパートナー」による勉強会や相談会、支援プログラムによる事業成長の支援。スタートアップと事業会社を繋ぐピッチイベントや交流会を開催し、POC・導入・協業・資金調達の機会提供による事業成長を支援も行う。

その他、「NCVパートナー」との協業により、倉庫・配送・撮影スタジオを備えたEC事業者向けコワーキングスペースを開設。販売件数の増加に伴う倉庫移転のコスト削減により、事業成長を支援する



さらに2023年度(予定)には、「NCVパートナー」との協業により、売上実績を基にした融資プログラムを提供。事業成長に伴う資金繰りニーズに対応することにより、事業成長を支援するとしている。

一方、事業会社に対する支援では、スタートアップと事業会社を繋ぐピッチイベントや交流会を開し催、POC・導入・協業の機会提供によりオープンイノベーションを支援するほか、要望に応じた調査レポートやオープンイノベーションプログラムの企画、スタートアップとの協業提案を通じて、オープンイノベーションの実現を支援する。海外・国内の業界トレンドや最新スタートアップ情報、オープンイノベーション事例など、オープンイノベーションに有益な情報提供も行う。

この度の取り組み開始にあたり、New Commerce Venturesの代表者である松山馨太氏は、「小売・流通は人々の暮らしを支えるインフラであり、生活に欠かせない存在です。しかし、少子高齢化に伴う過疎化や人手不足により、地域によっては現在の生活を継続することさえ難しくなってきています。New Commerce Venturesは、そんな小売・流通を取り巻く課題を解決するスタートアップを支援、全国各地の小売事業者に届けるプラットフォームです。このプラットフォームを通じて、全国各地の持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。小売・流通の未来を創る主役は起業家(企業内起業家を含む)です。領域特化により起業家の方々に有益なプラットフォームを目指します。『小売・流通の未来を創りたい』『このプラットフォームを使い倒してやるぞ』そんな想いのある起業家の皆様をお待ちしています!!」とコメントした。

同じく代表者である大久保洸平氏は、「私はこれまでキャリアを通じて一貫してコマース領域において事業面、投資面で携わってきました。コマース(=商取引)は、大昔からあるビジネスモデルであり、今後もなくならない、そして生活の基盤になっている、そういった普遍的なところが好きです。
これまで“Corporate”Venture Capitalでのキャリアでしたが、自分の好きなコマース産業に特化した“Industry”Venture Capitalとして、産業全体の前進に貢献するプラットフォームを作りたいという思いで、今回、New Commerce Venturesを起業しました。
また、ファンド名『New Commerce Explosion』は、生物多様性の原点にも挙げられるカンブリア爆発(Cambrian Explosion)をヒントに、我々も多様なコマース事業が産まれる震源地になりたいという想いを込め、つけました。スタートアップ、事業会社の方々とともにコマース産業をより良いものにして参りたいです。ぜひお気軽にご連絡ください!」と述べた。

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