2022.08.23

【連載<第3回>】一貫性のある「ブランド体験」創出により認知を獲得する


① ロゴやアイコン


例えば、世界最大のコーヒーチェーン「スターバックス」のロゴが有名だ。ギリシャ神話に登場する2つの尾をもつ人魚「セイレーン」をモチーフにしている。緑色のロゴは、遠くからでも視認可能で、目に入った瞬間に「あそこにスタバがある」と認識ができる。


② 色


2つ目の象徴は「色」である。一般的にブランドカラー、コーポレートカラーなどと呼ばれている。視覚情報のうち、色は大きなウエイトを占めている。ユニクロの赤いロゴは、一目見てユニクロと視認可能だ。運営会社であるファーストリテイリングのサイトには、この赤について、「コーポレートカラーである赤には、革新、改革、情熱、強さ、自立、先進のイメージに、『ユニクロ』に脈々と流れる挑戦者のDNAを重ねています」と示している。ブランドを象徴する色の効果により、ブランドの存在が消費者の記憶に焼き付いているのではないだろうか。


③ 音


「音」も、ブランドの存在を記憶に焼き付けるためには重要な要素の一つだ。テレビコマーシャルなどで流れる、企業名をメロディに乗せたジングルなどがその代表例だ。例えば、CMの最後に「HI SA MI TSU♪」と流れると、社名や商品名を意識していなくても、久光製薬の商品に関するお知らせであることが瞬時にわかる。


④ 形


見ただけで商品やブランドを連想できる「形」がある。例えば、胴部がくびれたコカ・コーラのボトルの形は有名だ。暗いところで手に取ってもコカ・コーラのボトルだと分かるように、という考えでデザインされたと同社のサイトで紹介されている。
 

⑤ キャッチコピー


最後のキャッチコピーは、説明の必要はないだろう。企業や商品のメッセージやブランドを短い文章で記したものだ。有名なところでは、マクドナルドの「i’m lovin’ it」だ。
 

ブランドは、これらの5つの「ブランドエクイティ」に落としこまれることで、消費者に伝わっていく。それぞれを創り上げたBIから逸脱しないように確立していくことが重要であり、ブランドの存在意義、目的、使命といった要素を象徴するものでなければならない。


ブランドを第一想起できる仕組みを戦略的に創っていく


広告しかなかった時代から、SNSが台頭し時代は大きく変わってきた。広告規制がより強化され従来のマーケティング手法が通用しにくくなった昨今、時代の変化に合わせた戦略が必要だ。

5つの「ブランドエクイティ」をうまく活用し、自社ブランドの名前を第一に想起できる仕組みを戦略的に作っていく。それが認知のきっかけ作りとなり得る。

商品企画の段階から一般ユーザーを巻き込んでいく、ユーザー参加型のコンテンツを用いることも有効だ。広告のクリエーティブや、商品の販売施策といった戦略なども含め、企業のあらゆる施策や活動から、定めたBIを踏襲していく必要があると言えるだろう。

次回は、新規顧客の獲得について考えていこうと思う。





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