2022.08.23

フューチャーショップ、2022年4~6月の流通額は昨対比102%の472億円 リアル回帰進むもEC利用は堅調

SaaS型ECサイト構築プラットフォームを運営するフューチャーショップは8月17日、プラットフォーム「futureshop」シリーズの2022年4月~6月の流通額と、「futureshop」を利用する店舗に対する流通額調査、生活者へのEC利用状況調査の結果を発表した。「futureshop」シリーズの2022年4月~6月の流通額は昨対比101.69%の472億円だった。3年ぶりの行動制限なしのゴールデンウィークによりリアル回帰が進むも、EC利用は前年と同水準で利用されたことが分かった。

フューチャーショップの提供する「futureshop」シリーズは、未来に向けたコマース戦略を創造するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム。CMS機能「commerce creator(コマースクリエイター)」で高いデザインカスタマイズの自由度と更新性を実現しているほか、ロイヤルティマーケティングに取り組める豊富な機能を有している。プラットフォーム自体の機能が充実しているだけでなく、他システムとも多数連携し、柔軟性や拡張性にも優れている。

このほど、「futureshop」シリーズの2022年4月~6月(2022年度第1四半期)の流通額が472億円、昨対比101.69%だったと発表した。ここ数年のECの利用状況は、2020年の巣ごもりでEC利用機会が急拡大した。2021年、2022年は鈍化しながらも前年を割り込むことはなく、EC利用が定着したことを示している。



2022年の4月~6月は、2021年同時期と比較し、外出や旅行機会が増加した時期でもあった。「県民割」「地域ブロック割」に代表される近距離~中距離の旅行促進施策の実施や、3年ぶりに行動制限なしのゴールデンウィークになるなど、感染症対策を行いながら外出する人の姿が増え、“リアル回帰”といえる状況だった。

日本百貨店協会が発表した「2022年5月 全国百貨店売上高概況」によると、5月の売上高は57.8%増、入店客数は52.8%増と高い伸びを示しており、購入もリアル回帰が進む中、それでもECが前年同水準で利用されていたのは、コロナ禍で進んだEC利用が定番化したからと言えるとの見解を示した。

同時に「futureshop」シリーズを1年以上継続利用した店舗に限定して実施した流通額調査の結果を発表した。昨対比の上位5業種は、「旅行用品・旅行予約」(178.10%)、「ギフト」(145.85%)、「ペットフード・ペット用品」(116.69%)、「靴」(112.28%)、「スポーツ・アウトドア」(111.84%)だった。外出機会が増加したことからか「旅行用品・旅行予約」「靴」「スポーツ・アウトドア」が上位に並ぶ結果となった。

2021年・2022年4月~6月、各月の注文件数が100件以上の店舗の中から500店舗を無作為に抽出して実施した生活者のEC利用状況の調査についても発表した。

対象店舗の注文件数の昨年同月比は、2022年4月が107.01%、5月が103.91%、6月が110.34%といずれも増加した。デバイス別でも、5月のPC経由が微減した以外は、増加した。5月が他月と比較し、注文件数の増加率が少ない理由としては、3年ぶりに行動制限が解かれた長期休暇で外出する機会が多く、リアル回帰が強かったことが挙げられると考察している。

購入単価は、スマートフォン経由、PC経由ともに昨年同月比106~107%ほどと上昇しており、巣ごもり一色となった2020年4月~6月期に購入単価が下降した以外は、一貫して上昇傾向となっていることが分かった。

各店舗のPC経由購入単価を1とした際のスマートフォン経由購入単価を算出し、平均にならした結果は、いずれの月も0.87だった。スマートフォン経由の決済はPC経由よりも低いという結果はこれまでの調査と変わらないが、PC経由とスマートフォン経由の購入単価の差は縮小傾向という結果になった。

新たに会員登録した顧客の利用を新規利用とみなし、各店舗の平均増加率を月ごとに調査した結果、期間平均は新規顧客利用が昨対比113.71%だった。巣ごもり需要がピークだった2年前から観測を続けているが、調査対象の店舗では新規顧客利用もマイナスになることなく、堅調に伸びていることが分かった。

【グラフ2:各月決済手段の割合/件数(調査対象店舗全体)】


利用された決済方法を「クレジットカード」「ID・QR決済(Amazon Pay、楽天ペイ(オンライン決済)、Apple Pay、PayPay、d払いなどのキャリア決済)」「現金・その他決済(店頭払いや後払い、銀行振込やコンビニ払いなど)」の3つに分け、割合ごとに見ると、クレジットカード利用の割合は前回の調査からほぼ変わらず、ID・QR決済利用が増加した半面、現金利用が減少していることが分かった。

【グラフ3:各月決済手段の割合/件数(3種類の決済手段提供店舗のみ)】


「クレジットカード」「ID・QR決済」「現金・その他決済」の決済方法を3つとも提供している店舗に限定し、調査した結果、「クレジットカード」と「ID・QR決済」を合わせたキャッシュレス決済の利用が、4月、5月、6月のいずれにおいても全体の8割を占める結果となった。







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