ゴルフ用品やテニス用品を販売するダンロップスポーツマーケティングは今年5月、自社ECサイト「ダンロップスポーツ公式オンラインストア」を開設した。自社ブランドの購入体験を高める販売チャネルとして提供するだけではなく、直営店やSNSなど多様なチャネルの核となるプラットフォームとしての役割もある。同社のデジタル推進部 部長の和田祐二氏、デジタル推進部二課 課長とゴルフ直販部一課兼任の田中洋平氏、ゴルフ販促宣伝部 担当部長の前田昌輝氏に、自社ECサイトを起点にどのようなDXやOMO（オンラインとオフラインの融合）を推進したいと考えているのかを聞いた。
――ダンロップスポーツマーケティングの直販事業の概要を教えてください。田中：当社ではダンロップのゴルフ用品やテニス用品などを販売しており、主に直営店で販売しております。ECについては、2018年に「楽天市場」に出店し、ECモールでの販売を行っておりました。ヤフーが運営する「PayPayモール」にも出店しています。2022年5月に自社ECサイトを開設しました。
――自社ECサイトを開設する狙いは？和田：当初は直営店を中心に考えていたため、業界競合他社と比べてEC展開が遅れていました。しかし、コロナ禍で直営店事業におけるEC比率が高くなったことも考慮し、自社ECサイトも展開することにしました。
田中：自社ECサイトの構想はかなり前からありましたが、なかなか踏み切れないでいました。コロナ禍にECモールの販売実績が上がったことで、プロジェクトも進展し、2020年夏ごろから自社ECサイト構築に向けて本格始動しました。
和田：2022年1月には当社のデジタル施策をさらに加速するため、デジタル推進部が立ち上がりました。BtoCの自社ECサイトの運営を強化するだけでなく、BtoBの受発注システムの運営や社内申請書類のデジタル化、デジタルによる営業支援などを推進しています。
▲デジタル推進部 部長 和田祐二氏――自社ECサイトにはどのような特徴がありますか？和田：お客さまにはメーカーが直接販売するサイトとして「安心して購入できる」と感じていただきたいです。
田中：自社ECサイト限定のオリジナル商品を販売したり、カタログから外れた商品を販売したりしていきたいです。すでにEC限定商品として防水スタンドキャディバッグを販売しており、急な雨でも手入れしやすい防水スタンドキャディバッグは、ECにも親しみのある若いユーザー層でニーズが高くなっています。コロナ禍にゴルフユーザー層が広がったことで今後もニーズに合った商品や、自社ECサイト限定商品を展開していきたいです。
▲デジタル推進部二課 課長とゴルフ直販部一課兼任の田中洋平氏前田：当社のゴルフ情報総合サイト（
ダンロップゴルフィングワールド）内にある「カスタム・シミュレーション」コンテンツと自社ECサイトを連携しました。これによりお客さまが選択したクラブのヘッド・シャフト・グリップを「カスタムメイドクラブ」として自社ECサイトで購入可能となりました。
