2022.08.15

【インタビュー】Hamee、水島育大社長「新ジャンル開拓、3年で売上85%増へ」


スマホアクセサリーを製造・販売するHameeは今年6月、3カ年の中期経営計画を発表した。最終年度の2025年4月期には売上高を前期(2022年4月期)の1.85倍となる248億円にまで拡大する計画だ。中核事業であるスマホアクセサリーブランド「iFace(アイフェイス)」のシェアをさらに高めるだけではなく、化粧品やゲーミングモニターなど新しい商品領域で急成長を狙っている。水島育大社長に成長戦略を聞いた。



――「iFace」がここまで成長した要因は?

「iFace」はもともと韓国のスマホケースブランドだったが、当社がブランドを買い取り、日本向けに展開している。韓国のトレンドを生かしながらも、うまく日本向けに調整して展開できたことが大きかった。

主な顧客層である10代後半から20代前半の若年層に、製品の特徴やブランドメッセージをうまく言語化して伝えることに注力してきた。スマホケースでブランド認知を確立し、周辺のアクセサリーに「iFace」ブランドを横展開している。スマホの出荷台数はほぼ横ばいだが、まだ伸ばす余地はあると思っている。

――単品売りだけではなく、ストック型の販売モデルを模索しているが、その進捗は?

スマホケースのサブスクリプション(サブスク)を展開しようとして断念したことがある。単一のプロダクトでストック型のビジネスを作るのは難しい。現在は「iFace」製品を購入した顧客向けの保証登録を専用のスマホアプリに入れてもらい、アプリでつながり、継続的に製品のプロモーションなどを行っている。

ストック型のビジネスを目指す方向は変わっていない。プロダクトの幅を広げ、サブスクなどストック型のビジネス確立を目指している。

――今年1月に参入した化粧品事業もその狙いか?

化粧品は定期的に使っていただけるプロダクトなので、ストック型のビジネルを確立できるチャンスは大きい。化粧品市場自体はほぼ横ばいだが、輸入化粧品市場は伸びている。特に韓国コスメ市場は急拡大している。今後も市場成長を続けるだろう。

当社が提供を開始した「ByUR(バイユア)」は、韓国の大手化粧品メーカーも使用している工場で製造している韓国生まれのコスメブランドだ。若年層をターゲットにベースメイクやスキンケアのアイテムを展開していく。韓国コスメで若年層向けのベースメイクやスキンケアの領域では、かなり参入余地がある。

「iFace」で培った若年層向けのマーケティングノウハウや、韓国ブランドを日本向けにローカライズしていくノウハウを生かし、ブランドの認知を高めていく。

韓国コスメを日本で展開している競合企業はあるが、基本的には販売代理店任せで売る方だけに注力している。ブランディングやマーケティングまで自分たちのリソースできちんとやっている企業はほとんどない。

「iFace」で取引のあるロフトやプラザなど、有力な販売チャネルとの関係性もコスメの販路拡大に生かせる。

――コスメ販売の人材を集めたのか?

コスメティクス事業を立ち上げるために、2年前くらい前から準備している。化粧品業界でデジタルマーケティングを手掛けてきた人材を採用し、チームを作ってきた。化粧品のマーケティングはスマホアクセサリーと異なる点が多い。広告投資も手厚くやっていかないとなかなか伸ばせない。他の事業と比べると強気の計画(2027年4月期に売上高を92億円まで伸ばす計画)だと言われるが、スマホアクセサリーとは市場規模が違うので、充分狙えると思っている。

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