2022.08.19

【インタビュー】羅針 田中拓郎取締役「実店舗と連動で2年連続30%増収へ 22年2月期売上高は57億円」


ECと実店舗で高級腕時計を販売する羅針の2022年2月期のEC売上高は、57億円だった。前期比では30%以上の増収となった。2月には銀座にロレックス専門店をオープンした。売れ筋商品の品ぞろえと在庫を増やすことにより、2023年2月期も30%の増収を目標に掲げている。増収の要因と、今後の展開について、田中拓郎取締役に聞いた。



――増収の要因について教えてほしい。

ロレックスを中心に、高級腕時計の価値は年々高まっており、人気も高い。高級腕時計の中でも人気のモデルを仕入れ、在庫を切らさなかったことが増収の最大の要因だろう。

当社は売り上げの6割を、ロレックスが占めている。市場が追い風であることに加えて、SEO対策などを行うことにより、自社ECサイトにしっかり集客できたことが大きかったと思う。

高級腕時計の価格は当然だが高い。当社のECにおける客単価も、100万円以上になっている。一見すると高いが、今までの腕時計を売って買う人も多い。市場価値が高まっているため、売り値も高い。買い替えやすい環境にもなっている。


課題は楽天市場



――ECの店舗によって売れ行きに変化はあるか?

当社のECでは、自社ECサイトの売り上げが一番大きい。自社ECはリピート顧客が多いため、購入頻度が多く、単価も高い傾向にある。2022年2月期も好調な売り上げだった。

一方で、楽天市場の売り上げの伸びは、どこか頭打ちになってきている印象だ。

楽天市場はこれまで、新規顧客の入り口になっていた。初めての高級腕時計を楽天で購入し、その後は、自社ECサイトで購入するという流れが多い。

楽天市場は「楽天内の検索で見つけてもらえるか」が勝負だ。これまでもその点を意識したページ作りを行ってきた。競合が増えてきた中、今後売り上げを上げていくには、より工夫を凝らしたページ作りが必要になってくると考えている。

2022年3-5月期(第1四半期)の楽天市場の売り上げは回復傾向にあるが、代わりに自社ECが落ち込んでしまった。自社ECの好調を維持しつつ、ポイントアップのイベントなどを活用しながら、楽天市場の売り上げをいかに上げていくかということが、今期の課題になってくるだろう。

――今期の目標は?

ECと実店舗を合わせた全社売上高としては、前期比30%増が目標だ。EC単体も同様で、30%増の70億円を目標にしている。

2期連続の30%増収は簡単なことではない。EC単体で考えるのではなく、実店舗との連携を図っていけるかどうかが鍵になってくるだろう。

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