2022.08.17

【インタビュー】エレコム 柴田幸生社長「EC売上142億円超に テレワークニーズに合った商品開発」


パソコン関連製品の開発、製造、販売を行うエレコムの2022年3月期のEC売上高は、前期比4.5%増の142億8400万円だった。好調の背景には、コロナ禍におけるテレワーク需要の拡大と、市場ニーズに合った商品の開発があったようだ。増収の要因と今後の展望について、柴田幸生社長に話を聞いた。



テレワーク需要に変化


――増収の要因について教えてほしい。

コロナ禍ではテレワーク需要が急拡大した。パソコンの周辺機器を取り扱う当社にとっては、特需に近い状態だった。テレワーク初年度と、昨年では、顧客の需要が変わってきていた。時期に合わせて、需要の高い商品を打ち出せたことが、売り上げの増加につながったと考えている。

コロナ初年度だった2021年3月期は、とりあえずテレワークをするために、商品を購入する人が多い印象だった。自宅用のマウスやキーボード、ウェブ会議のために、カメラやヘッドセットがよく売れた。売れ筋の商品は比較的安価な商品だった。当時はテレワークがいつまで続くか分からなかったため、あまりお金をかけたくなかったのだろう。

テレワークが1年続き、売れ筋の商品が変化してきたのが2022年3月期だ。当社の売上高は微増だった。商品の購入点数は落ちたが、購入単価が上がっていた。テレワークの長期化を見据えた顧客が、既存アイテムを買い替える需要が高まったのだと思う。

例えばヘッドセットで見ると、一昨年は2000円前後の価格帯の商品が人気だったが、昨年は1万円前後の商品がよく売れた。オンライン化が進み、使用頻度が増えたため、付け心地や性能を重視するようになったようだ。

――店舗とECの売れ行きに変化はあったか?

顧客の情報リテラシーが年々高まっている。そのため近年は、高単価商品は店舗よりECの方が売れるようになってきている。

ECは店舗に比べて、訴求できる情報の分量が多い。SNSや動画での訴求もできる。パソコンの周辺機器は、価格と機能を他の製品と比較して買うことが多いため、比較しやすいECでの購入が増えているのだと思う。

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