2022.08.09

【海外も注目】伝統工芸品の越境販売をしているPOJ Studioが語る「ECサイトの運用業務のDX化」

金継ぎキット

スイス育ちの代表は、日本と西洋、デジタルとアナログ、伝統と現代の生活という世界の間の架け橋となることを目指し、POJ Studio(Pieces of Japan Studio) を立ち上げ、コロナ禍に海外のお客様へ伝統工芸と金継ぎキットを提供してきました。

今回は、POJ Studioの代表である小山ティナ様に、POJ Studioのブランドストリーから、ECサイトの運用業務のDX化まで話を伺いました。


金継ぎキットから、日本の工芸品まで幅広く取り扱うPOJ Studio


POJ Studioは、日本が誇る職人が手がけた伝統工芸品を海外にも広めたいという強い思いから、伝統工芸のオリジナル商品(DIYキット、食器、装飾品など)を職人らと共同で開発し、2020年4月にネットを通じて海外向けに販売を開始しました。日本の優れた技術を、世界に発信することで、次世代の職人の育成や伝統工芸のブランド価値の向上を目指しています。



現在では、アメリカ、オーストラリア、カナダ、香港、シンガポールなど複数の国で販売を行っているブランドです。

中でも目を引くのは、「金継ぎキット」です。「エシカル消費」「持続可能」という言葉をキーワードに、以前購入した伝統工芸品が割れてしまっても、同じものを長く大切に使い続けられる様に、金継ぎキットを使って修理して再利用する、という日本の独特の文化を世界に広げることに力を入れています。

小山様は、ものづくりの現場に足を運んだ時、「後継者がいない」という職人の言葉を聞き、もったいないと感じていたのがきっかけで、その職人たちを支援するために、Pieces of Japan会社を設立しました。

そして、日本の職人が手がける工芸品を好む海外の消費者が多いことから、そのような人たちと職人を繋ぐ架け橋となるオンラインプラットフォームを作成しました。

「私たちは全国の職人と仕事をしていますが、オフィスがある京都は特に伝統的な歴史が詰まっていますので、京都にいる職人が多いです。お客様がどんな物が好きで喜んでくれるか、と言うことを常に考えて、それらのアイデアを職人に伝えて、商品を開発しています。 最近では職人の方から私たちに声をかけてくれることも増えました。例えば清江正雄さんとはそのようにして出会いました。その後、清江さんのワークショップにお邪魔して、作品を直接見て、コラボレーションできる製品があるかどうかを確認し、一緒にお仕事させていただくことになりました。 私たちの仕事は、一緒に働く職人の伝統工芸品やその技術を次世代に伝えることです」(小山代表)と言います。

現在、伝統工芸品を海外向けに販売していますが、数多くの商品を購入してもらうという目的よりも、お客様が同じ商品を長く使い続けられるように「金継ぎキット」の販売をメインとしています。

金継ぎは、実際の絵漆など工程によって100年間使い続けられるので、買ってくれた商品にひび、かけ、割れてしまっても、すぐ新しいものを買うのではなく、まず、自分で器を蘇らせてみることを推奨しています。

「私たちは、オンラインショップと言っても、ただ売上のことだけでなく、サスティナブルな考え方でビジネスを展開しています。金継ぎは、海外でも人気がありますが、海外によくあるのは、簡易金継ぎです。その金継ぎは、漆金継ぎと比較すると便利ですが、食器用としては安全性が保障されません。そこで、ビジネスのチャンスがあると思いました」(同)と話します。

RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事