2022.07.25

【寝具のサブスク提供の狙いを聞く】西川、『モノのサブスク』でモノにコトをつないで新たな顧客層を開拓


モノのサブスクの課題は調達コストと物流コスト


――モノのサブスクには今後も多くの企業が取り組むと思います。そうした企業にアドバイスをぜひお願いします。

武士:デジタルコンテンツなどのサブスクと違い、モノのサブスクはビジネス設計がとても難しいです。なかでも障壁となる最大の要素が、モノの調達コストと物流コストです。特に物流コストは常に悩みの種ですね。売れば売るほどコストが上乗せされます。

藤田:「Sleep Charge」をリリースするにあたっては、返送コストやリユース品のクリーニングなど、弊社の努力だけではどうすることもできない課題にもぶつかりました。回収とクリーニングを依頼できる協業先自体が少なく、あったとしてもシステム化していないなど、今の体制を実現するには一筋縄ではいきませんでした。それに加えて、私たちにはサブスク自体のノウハウがありませんでしたから、まさしく勉強をしながら開発を続ける毎日でした。私たちだけでなく、協業先企業の担当者全員が120%の力を出していただいたからこそ、成功できたと言い切れます。

:これからモノのサブスクに取り組もうとするときは、物流コストの壁に必ずぶつかります。でも、その壁を乗り越える方法は必ず見つかると思います。「サブスク」という言葉の枠に囚われることなく、顧客の課題解決を純粋に考えたビジネスモデルを設計することが新規ビジネス成功へのカギになるかと思います。


▲民敏幸氏

――最後に今後の展望について教えてください。

武士:「Sleep Charge」を昨年9月に無事リリースして以降、SaaSでいうオンボーディングと位置づけている「お試しコース」から、3割以上のお客様が「お手頃コース」や「新品コース」、「新規購入」へとつながっています。また、従来の販売チャネルとは異なる若い年齢層の開拓にも成功しました。今後、さらに多くの生活者に本サービスを知っていただくことが目下の目標です。GMOメイクショップのプロジェクトメンバーのみなさんと一緒に、これからも常に改良を続けながら、睡眠の大切さとすばらしさを生活者に伝えていきたいと思っています。



横田:人生の3分の1は睡眠です。毎日約8時間は寝具の上で過ごし、眠っている間は、寝返りを打つとはいえほぼ同じ体勢を維持することになります。寝具はその間、無意識のうちに身体を守ってくれている大切な道具であり、質の良い睡眠が得ることで、翌日のパフォーマンスアップになります。そうした身体に大切な寝具を扱っている企業であるという意識を強く持ち、これからも生活者に寄り添い、生活者のお声に耳を傾けて最適な商品とサービスを提供していきたいと思います。



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