2022.07.15

急拡大の『菓子EC』注目株に迫る!「Cake.jp」「パンスク」「もち吉」の戦略とは?

【好調食品ECの成長戦略〈菓子編〉】


食品EC業界は、コロナ禍に最も競争が激化したジャンルの一つだろう。百貨店などに出店している洋菓子ブランド「アンリシャルパンティエ」を運営するシュゼットホールディングス(HD)がEC事業を本格化するなど、大手企業の参入が相次いだ。競争が激化する中、毎年業績を伸ばし続けている食品EC企業も存在する。「好調食品ECの成長戦略」第1回では、菓子ジャンルの有力企業の販売戦略に迫る。



【CONTENTS】
▶「Cake.jp」毎年60〜70%増収 ケーキの固定概念変革へ
▶「パンスク」予約3カ月待ちの人気 広告費かけず露出拡大に成功
▶「もち吉」売上5%増の25億円 商品開発と広告強化で増収維持


コロナ禍で業績を伸ばしている菓子EC企業は、「コロナ禍特有の商品開発」に成功している企業が多い。

ケーキのEC事業を展開するCake.jp(ケーキジェーピー)は、ライブ活動ができないアイドルがオンライン上で配信をしていることに着目した。

アイドルの誕生日や写真集発売日など、祝い事の使用を想定し「オーダーメードケーキ」の受け付けを開始。クッキーにアイドルの写真を印刷できるようにした。その結果、従来は獲得できなかった若年層の男性顧客をつかまえることに成功したという。

おかきの通販を手掛けるもち吉は、コロナ禍で帰省できない消費者のニーズに目を付けた。家族への贈り物として最適な「おやついちばん 大箱」の開発に着手。同商品にはおかきのほか、間違い探しなど、ちょっとした遊びを楽しめるアイテムも同梱した。同商品の2022年2月期における販売数は5万箱を超えたという。

パンのEC事業を展開するパンフォーユーは、”ワクワク感”を顧客に提供することで好評を得ている。同社が販売するパンのサブスクリプションサービス「パンスク」では、「どこのパン販売店のパンが届くか分からない」ことがウケている。商品を提供するだけではなく、購入体験自体が”楽しみ”を生む仕掛けとなっており、顧客の獲得につながっている。

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