2022.07.08

クラダシ、総額6.5億円を調達 フードロス削減を目指す「Kuradashi」事業を拡大

ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を運営するクラダシは7月6日、新生企業投資が運営するファンド、博報堂DYベンチャーズが運営するCVCファンド、ロート製薬、池森ベンチャーサポート、西部ガスグループのSGインキュベートが運営するCVCファンドを引受先とする第三者割当増資により、総額6.5億円の資金調達を実施した。調達した資金を活用して「Kuradashi」のサービス拡充を図り、楽しみながら気軽にフードロス削減や社会貢献ができる仕組み作りを目指す。

クラダシは、まだ食べられるにも関わらず捨てられてしまう可能性のある商品をおトクに販売する、みんながトクするソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を運営。2014年のサービス開始以降、「もったいないを価値へ」をモットーに、1.5次流通という通常の流通ルートを毀損しない全く新しいマーケットを創出してきた。様々な理由により通常の流通ルートでの販売が困難な商品を協賛価格で買い取り、「Kuradashi」で販売することでフードロスの削減に取り組んでいる。また、売上の一部を寄付することで、環境保護や動物保護の団体など、様々な社会貢献活動団体を支援している。

SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」では、「2030年までにフードロス半減」が明文化されており、昨今のフードロス問題への関心の高まりを受け、「Kuradashi」の利用者数は35万人、パートナー企業数は累計990社を超えた。「Kuradashi」を通じて社会貢献活動団体に寄付した累計総額は8019万5799円となり、削減したフードロス量は9889トンを超えている。

2019年10月に施行された「食品ロス削減推進法」以降は、1次産品のロス削減を目指した地方創生事業をはじめ、自治体や事業会社のフードロス削減の出口戦略を担う公民連携を進めるなど、さまざまな日本のフードロスの課題解決に取り組んでいる。2022年6月には、創業当時から社会性・環境性・経済性を包括した事業を展開していることが評価され、米国の非営利団体B Labによる国際的な認証制度に基づく「B Corporation(Bコーポレーション)認証」を取得した。

このほど、新生企業投資が運営するファンド、博報堂DYベンチャーズが運営するCVCファンド、ロート製薬、池森ベンチャーサポート、西部ガスグループのSGインキュベートが運営するCVCファンドを引受先とする第三者割当増資により、総額6.5億円の資金調達を実施した。

日本では年間522トンのフードロスが発生している一方で、食糧自給率は38%と低く、消費している食品のうち62%を輸入に頼っている。それはつまり、6割もの食料を輸入しているにも関わらず大量のフードロスを生んでいるということになる。

フードロスの問題は自然環境への影響にも関わるなど、身近で重要な社会課題のひとつとしてますます関心が高まっているが、「2030年までにフードロス半減」を目指すには、さらに多くの人々と共にこの問題に取り組む必要があるとし、同問題に取り組むクラダシの事業に賛同し、資金面・事業面の両面でパートナーとして応援する企業・人から出資を受けることになったとしている。

調達した資金は、「Kuradashi」のブランドリニューアルや、アプリ版のリリースをはじめとしたプロダクト開発に活用する。「Kuradashi」のサービス拡充や利便性向上を目指し、楽しみながら気軽にフードロス削減・社会貢献ができる仕組み作りを進めていく考えを示した。

さらにサービス認知の向上を目的とした自社主催カンファレンスや、コンセプトムービーによるマス向け広告展開など幅広いマーケティング活動を強化し、利用者数の拡大を図る。プロダクト開発を担うエンジニアや事業戦略の実現を担う優秀人材の採用も強化し、引き続きSDGs推進を牽引するソーシャルグッドカンパニーとして、社会性・環境性・経済性を包括した事業としての成長を目指すとしている。

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