2022.07.06

<インタビュー>実正 角谷昭博営業部長「セラミド原末1%超をクリームに安定的に配合」【技術力ある化粧品OEM特集】

実正 角谷昭博営業部長


化粧品OEMの実正はこのほど、セラミドの原末を1%以上安定的に配合した「セラミド導入クリーム」の開発に成功した。高い浸透性も期待できる。他社参考品との比較では、大幅に上回る保湿力が確認できたという。同社の角谷昭博営業部長に、「セラミド導入クリーム」について話を聞いた。



――画期的なクリームの開発に成功したということですが。

セラミドは細胞間脂質に含まれる成分で、肌の恒常性を保つうえで重要な役割を果たしています。減少するとバリア機能の低下や乾燥など、さまざまな皮膚トラブルが生じる可能性があることが知られています。当社ではこのほど、「セラミド導入クリーム」の開発に成功しました。ジェルクリームの中に、セラミドの原末を1%以上という高濃度で安定的に溶け込ますことができているのが大きな特徴です。

セラミドは、油にも水にも溶けにくく、高濃度で配合するのが非常に難しいことが知られています。通常のクリームだと、おそらく0.1%程度がマックスではないかと思います。無理に溶かし込むと析出してしまうのですが、「セラミド導入クリーム」では安定的に配合することができています。

――どのような技術を使うとそのようなことが可能になるのですか?

処方の妙と液晶乳化技術を使って製品化に成功しました。浸透性の良さも期待できます。これまでにない画期的な技術ですから、製品の差別化に大きく貢献する技術だと言えると思います。

――どのような種類のセラミドを配合しているのですか?

酵母由来のヒト型セラミドを配合しています。人の肌にあるセラミドに似せて作られており、保湿効果や浸透力に優れています。

――セラミド導入クリームの実際の効果についてデータを取得していますか?

「セラミド導入クリーム」と、他社参考品のセラミド配合クリームとで、皮膚保湿効果率を比較する試験を実施しています。



上腕部に一定量を塗布し、保湿効果率を調べたところ、他社参考品を大幅に上回る効果が確認されました。

――今後の研究の方向性についても教えてください。

当社では、さまざまな乳化技術を駆使して、差別化できる製剤の開発を推進しています。例えば、マイクロエマルジョン技術を活用した透明クリームがあります。クリームではないような外観なのですが、使ってみるとクリームのしっとり感を実感することができます。

当社としては、こうした技術開発を今後も推進していきたいと思っています。当社が持っている、多様な乳化技術を駆使して日々研究を重ね、差別化できる高付加価値な製品を開発していきたいです。

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