2022.06.27

EC業界は動画全盛?!マーケから接客まで成功例を分析【ビジュアルコマースの時代<第5回>】


スマホの普及や通信環境の整備を背景に、ユーザーの動画視聴時間が伸びている。SNSで配信されているコンテンツもテキストから画像、そして動画へとシフトしている。そんな中、動画を活用するEC事業者も急速に拡大している。YouTubeでチャンネルを開設したり、ライブ配信を行ったりするマーケティング目的の動画活用も増えているが、ECサイト内で来訪者に商品の魅力を伝えたり、コミュニケーションを強化するための動画活用も進んでいる。今年4月には、ビジュアルマーケティングプラットフォーム「visumo」において、オウンドメディアでの動画活用サービスを導入した企業数が100社を突破したという。動画全盛時代を迎えようとしているEC業界の最新動向を分析する。



動画を配信するブランドが急増


コロナ禍にEC事業者の動画活用が飛躍的に進んだ。実店舗での営業が制限されていた期間には、店舗スタッフがライブコマースで商品を紹介したり、SNSや動画メディアで自社のコンテンツを配信したりする事業者が急増した。

ビジュアルマーケティングが進んでいるアパレル業界では、その動きはより顕著だ。ユニクロは多くの商品ページにおいてファーストビューで商品のイメージを伝える動画を配信している。多くのアパレルブランドのECサイトでは、店舗スタッフのスタイリングコンテンツが画像だけではなく、動画で配信されるようになっている。

ナノ・ユニバースはコロナ禍前の2017年8月からYouTubeチャンネルで本格的なファッション番組「Tiamo La moda(ティアモ・ラ・モーダ)」を配信し、今年2月まで番組を継続。3月からは新番組が始まっている。

ベイクルーズが展開するファッションブランド「SLOBE IENA(スローブ イエナ)」のYouTubeチャンネルは約2年前の始動から、8万6000人以上の登録者を獲得している。ブランドや商品の紹介というよりは、ブランドに携わるスタッフのライフスタイルや人間性をコンテンツ化することで、数十万回も再生される動画を多数配信している。


▲「SLOBE IENA」のYouTubeチャンネルは企画力が秀逸

YouTuberのような感性で、視聴者の興味を引く企画を展開しており、ファッションに関心のある人がタイトルに誘われて、動画を視聴している中で、「SLOBE IENA」を知るといった機会を生み出すことができている。

数多くのEC事業者の動画配信を支援しているvisumoの井上純取締役は、「企画力や動画制作のリソースがある事業者は、YouTubeなどで動画をバズらせて、ブランドの認知を広げることも可能だと思います。実際に成果を出しているブランドもあるようです。ただ、多くのブランドが動画活用を手探りで始めている段階であり、限られたリソースで取り組むとなると、まずは商品のことを知ってもらうために動画を活用する方が得策だと思います。実際、商品のイメージをより詳しく伝える動画や、商品を専門的に解説する動画を配信する事業者が増えています」と話す。


▲「visumo」は100社以上が導入

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