2022.06.24

【徹底解明<進化するラストワンマイル>】第4回「実用化は数年後!?ドローン、UGV配送に現実味」


近未来のラストワンマイルを担うのは、ドローンやUGV(無人走行車)になるかもしれない。多くの人が本格的な実用化はだいぶ先の話だと思っているのではないか。実際は実用化に向けた規制緩和や制度設計が急速に進んでいる。多くの企業が実証実験を行い、新たな業界団体が立ち上がるなど、実現性が高まっている。数年以内にドローンやUGVによる配送を実用化する環境は整いそうだ。


ドローンの社会実装に向けて、規制レベルが設けられている。目視内での操縦飛行「レベル1」、目視内での自動・自律飛行「レベル2」、無人地帯における目視外飛行「レベル3」、有人地帯における目視外飛行の「レベル4」の4段階だ。

本格的にドローン配送を実用化するためには、「レベル4」の解禁が必須だといえる。すでに「レベル1」「レベル2」とも無人・有人地帯で飛行可能となっている。

2021年6月の航空法改正により、「レベル4」解禁に向けて飛行の安全性を担保する仕組みが必要だとして、新たに「機体認証」と「操縦ライセンス」制度を創設することになった。機体認証制度は自動車の車検に相当するもので、量産機の場合は、機種ごとの「型式認証」と機体ごとの「機体認証」の二段構えになる。

国土交通省は2022年4月、「レベル4飛行」の実現に向けた「無人航空機の目視外及び第三者上空等での飛行に関する検討会」での議論の結果を公開した。

機体の安全基準については、「レベル4」でも都市部など人口密度が高いエリアと、それ以外のエリアを分けて考える方針が示された。人口密集エリアは有人機並みの厳しい審査を課し、それ以外のエリアには実証飛行試験により安全性を証明できる米国基準をベースに策定・適用する。

官民協議会がドローンの社会実装に向けた環境整備のために作成している「空の産業革命に向けたロードマップ」の最新版によると、「レベル4」解禁は2022年中となっている。

実際は解禁されてから実証実験などを経て実用化される運びになるだろう。

楽天グループ(楽天)などは海を越えた離島や山間部といった無人地域において、目視外飛行でのドローン輸送の実証実験を重ねている。「レベル4」が解禁となり、安全基準を満たした機体と、ライセンスを取得したドライバーの準備が整えば、有人地域での実証実験にも取り掛かるだろう。


▲楽天グループは海上を通り、高層マンションの屋上に荷物を届けるドローン配送のテストを実施した

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