2022.06.20

Hamee、「中期経営計画」「分社化」について何を語った?25年4月期に売上1.85倍、「ネクストエンジン」契約1.6倍目指す


プラットフォーム事業分社化の狙い


中期経営計画を踏まえて、プラットフォーム事業を分社化する方針を発表した。新設した子会社「NE(エヌイー)株式会社」にプラットフォーム事業を承継する。さらにHameeコンサルティングを新設会社に吸収合併する。7月28日に開催予定の株主総会で承認を得た後、8月1日に事業承継を行う計画だ。

「コマース事業やプラットフォーム事業など、それぞれの成長フェーズが大きく変化したとの認識に至った。このまま一つの会社で事業を展開すると、管理業務の複雑化、非効率化、単一の人事制度による社員モチベーションの維持・向上の難しさなどさまざまな課題が生じる可能性がある。当社のミッションである『クリエイティブ魂に火をつける』を維持・実現していくためには、高い熱量を維持し続けられる環境を作ることが重要だ。そのためにもプラットフォーム事業を分社化する必要があるとの結論に至った」(水島社長)と話す。

これまではコマース事業とプラットフォーム事業がシナジーを図ることで事業成長を達成してきたが、それぞれの事業が成長し、方向性が変わっていく中で、それぞれの事業が独自の成長を目指す方が得策であると考えた。

新会社「NE株式会社」の代表取締役社長には、Hameeの取締役である比護則良氏が就任している。

比護氏はプラットフォーム領域の中期経営計画において、「ネクストエンジンの総契約者数を大幅に拡大させることがこれからの3年間における最大の注力ポイント。総契約社数を2022年4月期の5417社から、2025年4月期には8756社まで増やしたい」と意気込みを語る。

【プラットフォーム事業の主要KPI】


「ネクストエンジン」はこれまで、複数の販売チャネル管理を一元化することで守りのDXを強化できることが強みだったという。

「言い換えれば、この強みはEC事業者が多店舗展開することを前提としている。EC流通額が中規模以上の事業者が最も価値を得られやすいサービスだった。コロナ禍の影響や、Shopify、BASE、STORESといった従来より手軽にECを始められるプラットフォームの台頭により、ECの参入障壁は下がり、小規模事業者が増加傾向にある。この3年間は従来通り、中規模以上の事業者への強みを維持しつつ、流通規模の比較的小さいEC事業者に向けてサービスを拡張・強化していく」(比護氏)と話す。



Hameeコンサルティングが手掛けてきたコンサル・運営支援事業も強化し、制作支援などへサービスを拡張する方針だ。「ネクストエンジン」の導入支援も強化する。

さらに、「既存ユーザーや小規模事業者でも利用しやすいコミュニティを形成する。これまでも単純なコミュニティは形成してきたが、Web3全般技術の活用も模索しながら、分散型自律組織『DAO』の実現にチャレンジする。昨年度に開催したユーザー感謝祭『青祭』とも連携しながら、強固な顧客基盤を構築する」(比護氏)と語る。


コスメは5年後に売上92億円狙う


コマース事業では主力ブランド「iFace」などにおいて、「メルカリショップ」など新規販売チャネルに挑戦し、新たな関連アイテムの開発に注力する。

ゲーミングアクセサリー「Pixio」も多店舗化やアイテム拡大により、毎年25%成長を続け、2025年4月期に売上11億円にまで伸ばす計画だ。

コスメティクス事業では、現状のベースメイクカテゴリを皮切りに、スキンケア、カラーメイク、ヘアケアなどへカテゴリを拡張する。2025年4月期には売上高45億円にまで拡大し、その先の2027年4月期には売上高92億円を目指す。

【コスメティクス事業の5カ年数値計画】


米国を中心としたグローバル販売にも注力する。「iFace」以外のライセンス商材を拡充し、日本のコンテンツ力を生かした販売戦略に注力する。




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