2022.06.14

ビビッドガーデン、シリーズCで約13億円を調達 地銀系ベンチャーキャピタル6社などと連携を強化

日本最大の産直通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデンは6月14日、既存株主であるジャフコグループをはじめ、新生企業投資などを引受先とする第三者割当増資による、約13億円の資金調達を実施した。今回調達した資金をもとに、自治体や地域との連携を強化し、高齢者をはじめとする様々な生産者のサポートを行う。さらに人材採用やマーケティングにも活用し、さらなる組織拡大とサービスの普及を目指す。

ビビッドガーデンは6月14日、第三者割当増資を行い、シリーズCで約13億円の資金調達を実施した。第三者割当増資の引受先は、既存株主のジャフコグループ、NOWに加え、新規株主の新生企業投資グループ、ANRI、三菱UFJキャピタル、みずほキャピタル、FFGベンチャービジネスパートナーズ、山口キャピタル、GOLDWIN PLAY EARTH FUND、南都キャピタルパートナーズ、ヒューリックスタートアップ、いよぎんキャピタル、広島ベンチャーキャピタル、山梨中銀経営コンサルティングが名を連ねる。新たに地方銀行系ベンチャーキャピタルが6社参加した。

今回調達した資金は、高齢の生産者のサポート強化、採用およびマーケティングの強化に活用する。「食べチョク」は、これまで全国57件の自治体と連携してきた。地方連携を強化することで、全国の生産者との強固な基盤を構築するとともに、インターネットに不慣れな高齢の生産者でも出品できる状態を目指しす。



採用においては、生産者・ユーザーの双方が、安定して継続的に利用できるサービスに成長させるため、エンジニアや経験豊富なエグゼクティブ人材の採用を強化する。マーケティングにおいては、日本各地に数多く存在する生産者がこだわりを込めて作った生産物をより多くの人を届けるため、企業との連携による事業の拡大や、マーケティング強化によるユーザー数の拡大を目指す。

産直通販サイト「食べチョク」の提供を開始してから5年半が経ち、2022年5月時点で登録生産者数は7200軒、ユーザー数は65万人を突破した。流通額は2年で128倍に成長し、認知度や利用率も業界No.1を獲得している。

資金調達の背景としてビビッドガーデンは、農業従事者の平均年齢が67歳なのに対し、「食べチョク」に登録する生産者は40代から50代前後と若い人が多いという現状を挙げた。これまで様々な自治体と57件連携する中で、高齢の生産者から「出品の方法を知り、ネット販売に踏み切れた」などの声が寄せられたこともあり、高齢者からサポートを求められていることが分かったとしている。今回出資している地銀系ベンチャーキャピタル6社を中心に、これまで以上に地域連携を強化していく考えを示した。

さらに今回の引受先には、事業会社のCVCであるGOLDWIN PLAY EARTH FUNDも参加している。従業員が在宅勤務中でも利用できる新たな福利厚生のニーズや、従業員のエンゲージメント向上のため、1次産業のSDGsの取り組みを知る機会を提供したいというニーズが高まり、大手企業による法人向けサービス「食べチョク for Business」の導入が増加していることから、引き続き、法人事業の拡大やアライアンスの強化も行うとしている。

今回の資金調達にあたり、ビビッドガーデン 代表取締役社長 秋元里奈氏は、「実家の農業が廃業した経験から食べチョクの事業を起こしました。原体験があり、思いが強くなりがちだからこそ、創業時から『ロマンとソロバン』のバランスを大切にしています。その観点で、今回様々な業界を見ているVCの皆様にビビッドガーデンのビジョンに共感いただくと同時に、弊社の実績や成長性、チームの可能性を評価いただいたことをとても嬉しく思っています。強力なパートナーに加わっていただき心強さを感じるとともに、改めて身の引き締まる思いです。『生産者のこだわりが正当に評価される世界』を目指し、一次産業の業界により大きく貢献できるよう、チーム一丸となり邁進いたします」とコメントした。


ビビッドガーデン 代表取締役社長 秋元里奈氏

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