2022.06.14

ヤフー、モール内検索で「優良配送」を優先表示 検索上位を独占、店舗から懸念の声も


店舗やコンサルが漏らす懸念点


ある店舗は、「『優良配送』に対応したことで売上が150%伸びた店舗があるという。優先表示の開始により、『優良配送』へ対応するメリットはもっと増すだろう。一方で自社の物流や仕入れ環境などにより、『優良配送』に対応できない店舗や商品はヤフーのECモールで売り上げを作りにくくなる。店舗は今よりも戦略的にどのモールでどの商品を売るか、どのモールに注力すべきかを考えていく必要がありそうだ」と語る。

あるコンサルタントは、「旅行の安・近・短みたいに安い、早い、誰でも買えるモノばかりが売れてもつまらない。モールの多様性を損ないかねない施策にも思える」と指摘する。

ある店舗は、「一部の店舗が『優良配送』に対応するために不正を働いているという話を聞いたことがある。『優良配送』の基準をクリアするように設定しておき、即日配送の送料を法外な値段に設定することで購入者が選択しないようにしていたりするケースもあるようだ。ヤフーには『優良配送』の強化を進めると同時に、不正防止の取り組みも強化してほしい」と話す。

ヤフーは8月下旬の優先表示の本格開始前に、一部ユーザーに向けて優先表示のテストを行うという。さらに、店舗が「特別表示カテゴリー」の希望を投稿できる「ご意見・ご要望フォーム」を用意し、意見を吸い上げる取り組みも行う。

今回の施策がヤフーのECモールのさらなる成長を呼び込むのか、店舗の“ヤフー離れ”を呼び込むのか、施策の行方を注視していきたいと思う。



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