2022.06.13

博報堂、「EC生活者調査」を実施 健康食品・飲料の約7割、化粧品の4割以上でECシフト進む

博報堂のEC領域に特化した組織横断型プロジェクト「HAKUHODO EC+」は6月8日、博報堂DYグループ「ショッパーマーケティング・イニシアティブ」の取り組みとして、EC生活者のEC利用実態・意識や生活意識などを聴取した「EC生活者調査」の結果を公開した。健康食品・飲料の約7割、化粧品の約4割以上でECシフトが進んでいることなどがわかった。

【<グラフ4点>カテゴリー別のEC購買シェア率はこちら】

「HAKUHODO EC+」は、博報堂DYグループ内各社、および協力会社のナレッジやスキルを集約し、ECを起点とした企業のさまざまな価値創造DXの推進をワンストップでサポートするためのEC領域に特化した博報堂DYグループ横断型プロジェクト。

このほど結果を公開した「EC生活者調査」は、「博報堂DYグループの「ショッパーマーケティング・イニシアティブ」の取り組みとして実施したもの。ECを利用する「EC生活者」を深く理解することを目的に、一般消費財の購買ログデータが付与されたモニターを使用しているため、購買ログデータと紐づけた分析ができる特徴的な調査となっている。15歳~69歳の男女を対象に、2021年11月に調査を実施(購買ログデータ取得期間は2020年10月~2021年9月)しており、サンプル数は、WEBモニターが2万2000人、一般消費財の購買ログを付与したWEBモニターが5000人。



EC経由での平均年間購入金額が高いジャンルは、1位が「アルコール」(2万426円)、2位が「化粧品」(2万291円)、3位が「健康食品・飲料」(1万8139円)だった。アルコールと化粧品のEC経由平均年間購入金額を性年代別で見たところ、アルコールは「男性40~60代」のEC経由平均購入金額が2万5000円前後、化粧品は「女性40~-60代」のEC経由平均年間購入金額が2万2000円~2万5000円程度と、全体比で高くなることがわかった。性年代によって、ジャンルごとのEC経由平均購入金額に差があることが購買ログデータから明らかになった。

EC経由の購入がどの程度を行われているかを可視化する同調査独自の指標として、「EC経由の年間購入額÷全ルート(オフライン・EC)の年間購入額」を「EC購買シェア率」とし、直近1年以内にECを利用している調査パネルの一般消費財の購買ログデータを活用し、各ジャンルの購入額におけるEC購買シェア率を算出した結果、EC購買シェア率が高いジャンルは、健康食品・飲料(67.6%)や化粧品(45.8%)だった。また、性年代別でEC購買シェア率を分析すると、ボディケア・ヘアケア、日用品、飲料、アルコールは、女性よりも男性においてECシフトが進んでいることがわかった。

これらの結果から、EC生活者にとって、健康食品・飲料などの特定のジャンルにおいてはECでの購入が一般的な行動になりつつあると推察。ボディケア・ヘアケアや日用品、飲料、アルコールといった、従来はスーパーやコンビニなどのリアルリテールで購入されてきた商品の購入チャネルが、男性を中心にECにシフトしつつあることがうかがえるとしている。

直近1年以内に利用したインターネット通販の調査結果から算出した​各ECサイト利用者の性年代別構成比は、ECサイトのジャンルによって性年代別で利用傾向が異なることが明らかとなった。家電量販店利用者の性年代構成比は男性の割合が全体比で高い結果となった。一方、ファッション系EC利用者の性年代構成比は、女性の割合が全体比で高く、特に女性20代の割合が全体比で高くなることがわかった。ネットスーパー系EC利用者の性年代別構成比は、男性20代が14.4%、男性30代が11.7%(全体との差分はそれぞれ+4.7pt、+2.9pt)と、男性若年層の割合が比較的高く、全体との差分も大きいことから、男性若年層を中心にネットスーパー系ECの利用が進んでいることが推測されるとしている。なお、大手ECモール利用者の性年代構成比は全体と同じ傾向にあった。



EC利用時の重視点を尋ねたところ、1位「送料・手数料がかからない」(45.5%)、2位「商品を検索しやすい」(34.3%)、3位「全体的に通常の価格が安い」(32.5%)の結果となった。



利便性や経済合理性がEC利用時に特に重視されていることがわかった。性年代別にEC利用時の重視点を分析すると、男性20代と女性40代以降において、「割引が利用できる」「ポイントサービスがある」と答えた人の割合は全体比で高くなったため、男性20代と女性40代以降は、「お得感」を重視していると推測できるとしている。



「HAKUHODO EC+」は、この調査結果を活かし、今後もEC生活者の生活意識などをいち早くキャッチし、あらゆるバリューチェーンにおいて企業のマーケティングDX・事業成長をフルファネルで支援するとしている。

また、Webサイト「博報堂DYグループ “生活者データ・ドリブン”マーケティング通信」において、今回の調査結果をもとに、EC生活者について深堀した対談記事「EC生活者って何?‐リサーチから見えてきたEC生活者のイマとミライ-」も公開している。






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