2022.06.02

【専門家に聞く】Googleによる美白製品の広告禁止措置 「検索アルゴリズムへ影響の可能性も」

Google(グーグル)はこのほど、広告ポリシーにおいて、「美白製品」の宣伝を禁止すると発表した。該当する広告がある場合、6月30日より前に削除するよう通知した。広告代理店からは、「美白製品の宣伝禁止は、広告の審査だけでなく、検索アルゴリズムにも影響する可能性がある」と指摘する声も上がっている。「美白」を表示する商品のランディングページの検索順位が下がる可能性があるという。
 
グーグルが広告ポリシーで、「肌の色に優劣をつける美白製品の宣伝を禁止します」と発表した件について、グーグルの日本法人に取材を試みたが、期限までに返答が得られなかった。
 
複数の広告代理店に取材したところ、「発表については知っているが、グーグルの担当者からの連絡は何もない」「通販化粧品業界にとって大きな影響がある。情報収集中だ」といった声が聞かれた。
 
化粧品や健康食品の通販に詳しい、東京神谷町綜合法律事務所の成眞海弁護士は、「人種問題にかかわる国際的な取り組みの一環だろう。『肌が白い方が美しい』という表現は好ましくないという判断ではないか」と話している。
 
グーグルは「美白製品」がどこまで、今回の宣伝禁止に該当するのかも、明らかにしていない。
 
「美白」や「シミ対策」を訴求する一般化粧品だけが禁止の対象なのか、厚生労働省の認可を得た「美白」訴求の医薬部外品も禁止の対象となるのか、といった点も、現在のところは不透明な状態だ。
 
広告代理店のA社の社長は、「『メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ』という医薬部外品で認められた文言は、今後も広告に使用できるが、『美白』というワードは使えなくなるということではないか」と話している。
 
広告代理店のB社は、「グーグルの仕様変更は、米国の仕様変更に起因するものだ。他にも『育毛』『薄毛』といったキーワードが、将来的に規制される可能性がある」(取締役)と話す。
 
ある化粧品通販会社の担当者は、「美白化粧品を展開する通販会社は、メインの広告出稿先がSNSへと変わっていくのではないか。同時に、グレーな広告を打つ悪質な通販会社もSNSへと流れる可能性がある」と話している。



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