2022.06.01

Pinterest、日本での広告事業を開始 Shopifyとのパートナーシップも強化

ビジュアルディスカバリーエンジン「Pinterest」を運営するPinterestは6月1日、日本における広告事業を開始した。これにより同事業を利用する広告主は、全世界で4億人を超える「Pinterest」オーディエンスに向けて、自社の商品やサービスに紐づいたアイデアを紹介することができる。加えてShopifyとのパートナーシップを日本で拡大し、Shopifyを利用する事業者の「Pinterest」への商品情報アップロードなどの負担を軽減した。

Pinterestの運営する「Pinterest」は、レシピやインテリア、ファッションなど、さまざまなアイデアを発見・整理するビジュアルディスカバリーエンジン。気に入ったアイデアを保存するブックマークの「ピン」を保存・シェアすることができ、新しいモノやアイデアが世界中のユーザーから集まるコミュニティとなっている。

このほど、ヨーロッパと中南米に続く「Pinterest」の広告プログラムの世界的な拡大の一環として、日本における「Pinterest」の広告事業を開始した。

「Pinterest」の広告は、数十億ものピンのデータを基に、ユーザー各々の興味関心の高いアイデアとして最適なタイミングで表示されるため、コンテンツの1つとして好意的に受け入れられ、次のアクションにもつながりやすいという特徴を持つ。これにより広告主は、全世界で4億人を超えるオーディエンスに向けて、自社の商品やサービスに紐づいたアイデアを紹介することができる。さらに、複数の広告フォーマットや「Pinterest」ならではの豊富なターゲティングオプションにより、新たなオーディエンスにリーチすることが可能だ。

多くの「Pinterest」ユーザーは、見つけたアイデアを基に実際に行動する傾向があり、ファッション、インテリア、次の旅行先など、未来に向けたアイデアを実現するために、「Pinterest」へアクセスし、積極的に商品やサービスを探している。次のアイデアを探しているユーザーに対し、企業が有益な情報やコンテンツを届けることで、ユーザーと企業双方にとって利益となるポジティブな関係を築くことができる。こうした背景から、「Pinterest」では広告コンテンツもオーガニックコンテンツと同様に、ユーザーに好意的に受け入れられている。

「Pinterest」が企業にとって効果的なプラットフォームである理由は、何かを購入しようとしている一方で、購入先のブランドをまだ決めていないユーザーにアプローチできる点にある。「Pinterest」の上位検索の97%が、「スニーカー 白 メンズ」のようにブランド指定のない2~3語のキーワードとなっており、ユーザーの大部分は検索の際に特定のブランドの名前を入力していない。つまり「Pinterest」は、購入の意思がある一方で、購入先までは決めていない潜在顧客とブランドが、より効率的に出会うことができる数少ないプラットフォームの1つと言える。

「Pinterest」は、過去数年間にわたり、日本のあらゆる規模の企業や積極的なユーザーを新たなインスピレーションの提供や商品の検索体験を通してサポートしており、たとえば家具・インテリア通販サイトの「FLYMEe」は、オーガニックのキャンペーンとショップの要素を含むビジネスプロフィールを活用して、オーディエンスのリーチを広げてきた。今回の広告事業の開始により、今後は自社取扱い商品を活用したインテリアコーディネートのアイデアなどを紹介するターゲティング広告を配信することで、さらに多くのユーザーにリーチし、インスピレーションを与え、ユーザーの購買プロセスにアプローチできるようになる。

広告事業の本格的な開始に先がけ、初期のパートナー企業として広告を開始した1部の国内企業においても、「BAYCREW’S」「cowcamo」などのブランドが「Pinterest アド」を利用して成果を上げている。

初期パートナー企業であり、中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo」の運営を手がけるツクルバの四方田惇氏(cowcamo デマンドサイド事業部 マーケティングチーム マネージャー)は、「Pinterest アド」について「弊社が当初ターゲットとしていたリノベーション興味関心ユーザーに、早期にリーチすることができるようになりました。導入後、コストを削減しつつ、大きくリーチを増やすことができ、目標を上回る成果を達成できました。今後は、『Pinterest』の特性に合わせた広告素材の活用やより興味関心層にアプローチできる比較検討キャンペーンの実施を検討し、多種多様なシーンで『Pinterest アド』を活用していく予定です」と述べた。

日本における広告事業の開始にあたり、 Pinterestの日本担当カントリーマネージャー 成田敬氏は、「『Pinterest』は、消費者がやりたいことや買いたいもののアイデア探しに利用するポジティブなプラットフォームとして際立った存在です。当社は、意思決定プロセスの早い段階にいる消費者と接触できる機会をあらゆる規模の企業に提供しており、この世界的広告プログラムを日本へ拡大できることを嬉しく思います。『Pinterest』の広告主は、ユーザーが素敵な毎日を送るためのアイデアを行動へ移すために重要な役割を担っています。日本の企業の皆様が広告を通じて、積極的なオーディエンスとつながれるようになることに大きな期待を感じています」とコメントした。

また、広告事業を開始した6月1日には、「Pinterest」へ商品情報をアップロードした際に、自動的にプロダクトピンが作成される機能「Pinterest カタログ」の日本への導入も実施した。

メタデータを元に作成されたプロダクトピンは、 ユーザーに購入可能な商品であることが 一目でわかるフォーマットのピンで、ブランドのWebサイトに掲載されている最新の価格と在庫状況、商品名と説明文が記載される。企業は、商品情報が記載されたプロダクトピンを自社Webサイトの商品ページに直接リンクすることができ、「Pinterest」ユーザーは数クリックで商品を購入することができる。プロダクトピンは、検索結果だけでなく、ホームフィード、似ているピンなどのおすすめ表示、「Pinterest」の画像検索タブなど、「Pinterest」内の様々な箇所に表示され、多くのユーザーの目に触れることができる。

さらに「Pinterest」は、「Shopify」とのパートナーシップを日本へ拡大した。この連携により、「Shopify」を利用する日本の事業者は、オーガニック配信と広告配信を通じた 「Pinterest」上へのプロダクトピンの配信、およびリーチの最大化に向けたインサイト分析を簡単な設定で行うことができ、「Pinterest」で手軽にショップを立ち上げ、世界のオーディエンスに自社の商品を紹介できるようになる。

「Shopify」を利用する事業者は、簡単な手順で「Pinterest」へ商品情報をアップロードし、同時にプロダクトピンを作成することができるほか、「Shopify」の「Pinterest アプリ」を活用することで、コードの編集や自社サイトへのリソース導入などを行う必要なく、タグの配置、カタログの読み込み、広告購入インターフェースなどの「Pinterest」のショッピング機能にスムーズにアクセス可能となる。

「Pinterest」との連携開始にあたり、Shopifyの日本カントリー・マネージャー 太原真氏は、「コマースの未来は、消費者が時間を過ごすあらゆる場所に存在します。日本の小売業者の皆様がさまざまな場所で商品の紹介と販売を行えるようにする一方で、複数のチャネルを管理する煩雑さを取り除き、こうした未来の実現に近づくことが『Shopify』の使命です。『Pinterest』との世界的パートナーシップの拡大により、日本の小売業者の皆様はいま、『Shopify』を離れずに『Pinterest』チャネルにアクセスして、ターゲットを絞ったオーディエンス構築キャンペーンを作成できるようになりました。これはとりわけ、日本の中小企業の小売業者の皆様にとって重要です。世界で4億人を超える『Pinterest』ユーザーの目に留まる新たなチャンスを生み出すことで、成功を掴めるでしょう」とコメントした。




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