ロボティクスプラットフォームを提供するラピュタロボティクスは4月20日、ゴールドマン・サックスをリードインベスターとして64億1500万円の資金調達を実施した。今回の資金調達で累計調達額は106億円になった。調達した資金を活用し、マーケティング活動、パートナー育成、研究開発の強化を図る。資金調達と同時に、最新の「ラピュタPA-AMR」を手軽に体験できるキャンペーンを開始した。
ラピュタロボティクスは、「ロボットを便利で身近に」をビジョンとして掲げ、世界最先端の制御技術および人工知能技術を活用した次世代クラウドロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」の開発、「rapyuta.io」を活用したロボットソリューション開発・導入・運用支援を展開。
スリランカ出身で、文部科学省の特待生として日本に留学し、東京工業大学で共に学んだ代表取締役CEOのガジャン氏と、共同創設者兼CFOであるクリシナムルティ・アルドチェルワン氏が日本を拠点に創業。20カ国以上から優秀なエンジニアたちが結集し、物流に精通した営業チームとタッグを組むことで、日本の物流事業者の課題に合わせた最適なソリューションを提案している。
今回調達した資金は、マーケティング活動、パートナー育成、研究開発に投資する予定であるとし、現在日本一のシェアを誇る「ラピュタPA-AMR」について、一層認知を拡大し、より多くの顧客に利用してもらえるようマーケティング活動を強化する考えを示した。さらに物流倉庫の幅広い課題解決のため、パートナー育成や研究開発に注力し、次世代クラウドロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」による多様なロボットソリューションの開発を加速させていくとしている。
少子高齢化や慢性的な人手不足が深刻化している日本の物流業界では、自動化ソリューションを活用した省力化・省人化の推進が喫緊の課題となっている。こうした課題に対しラピュタロボティクスでは、世界でも最先端の制御技術、および人工知能技術を活用した次世代クラウドロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」によるロボットソリューションの提供を通じて、倉庫業務のオペレーション効率化や、異なる複数台のロボット同士が連携することにより生まれるシームレスなロボットエコシステムを目指していく考えを示した。実際に導入した企業には、業務の生産性が平均して約2倍に改善している企業もあるとした。
今後も新たなロボットソリューションの開発を通じて、業界課題の解決および人々の生活を豊かにすることを目指し取り組んでいく考えを示した。
このたびの資金調達実施にあたり、ラピュタロボティクス 代表取締役CEO ガジャン氏は「ロボットをより便利で身近なものにするために、我々のチームとプラットフォーム戦略を信頼し支援して下さったゴールドマン・サックス社とすべての投資家に感謝しています。今回の資金の大部分は、現在大きな反響を呼んでいる当社のピッキングアシストロボットのシェア拡大のために使用する予定です。自律移動型ロボットの認知度と物流業界での利用率を向上させ、当社のロボットが幅広い物流ユーザーにとってより身近なものになるよう機能開発を進めていきたいと考えています」とコメントした。
引受先のゴールドマン・サックスは、「この度、クラウドロボティクス・プラットフォームの先駆者であるラピュタロボティクス社へ出資できたことを大変嬉しく思っています。昨今の世界的なEコマース需要の急拡大に伴って物流業界のプレゼンスは高まっている一方、業界ではDX化や人手不足などの課題が深刻化しており、物流倉庫における自動化の必要性は今後さらに増していくと考えています。
今回、出資を行うゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのグロース・エクイティは、ビジョンを持った創業者やCEOの率いる世界中のテクノロジー企業に投資を行っています。代表取締役CEOモーハナラージャ・ガジャン氏のリーダーシップ、そして同氏が率いる優れた技術を有するエンジニアリングチームのもと、クラウドロボティクス・プラットフォームの先駆者であるラピュタロボティクス社がロボットソリューション事業の成長とともに、国内外でさらなる飛躍を遂げることを期待しています」とコメントした。
ラピュタロボティクスでは、今回の資金調達を受けて、最新の「ラピュタPA-AMR」を手軽に利用できる新たなプログラムをスタートした。中小規模の倉庫を含めた多くの物流事業者を対象に、1カ月半の間、本導入と同じレベルでAMRを活用し、倉庫への適合性、生産性の向上度合いをしっかり確認できるプログラムとなっている。
