2022.04.13

三陽商会、NRIデジタルやプレイドが共同でOMO施策をテスト リアルとネットで顧客データ統合、体験価値の向上図る

三陽商会はこのほど、NRIデジタル、プレイドと共同で、オンラインとオフラインを融合したOMO(Online Merges with Offline)による顧客体験の実現に向けて、トライアルを開始した。オンラインとオフラインの顧客行動データを統合し、顧客ごとのニーズや文脈を捉えた体験の実現を目指す。

三陽商会、NRIデジタル、プレイドの3社は共同で、オンラインとオフラインを融合したOMOによる顧客体験の実現に向けたトライアルを開始した。同取り組みでは、公式ECサイト「クレストブリッジ オンラインストア」および店舗を活用する顧客の行動データをシームレスに解析・統合。オフライン・オンラインの顧客接点でその顧客のニーズや文脈を捉え、顧客体験の向上を図る。

店舗でのデータ収集は、三陽商会の「BLUE LABEL CRESTBRIDGE(ブルーレーベル・クレストブリッジ)」「BLACK LABEL CRESTBRIDGE(ブラックレーベル・クレストブリッジ)」の新ライン「CB CRESTBRIDGE(シービー・クレストブリッジ)」の第1号店で、4月22日にオープンする「ららぽーと横浜店」において実施。店舗来店時に顧客がスマートフォンなどでQRチェックインを行い、利用許諾に同意することで、店舗での行動解析(3D距離センサーによる計測)を開始し、店舗での行動とECでの商品閲覧などをかけ合わせ、その人の好みや興味に応じた商品提案やイベント・キャンペーンなどの案内を行う。

同取り組みでは、来店時のチェックインを起点に、ECサイトなどの情報を見てリアル店舗を訪れた顧客や、来店したものの購入には至らずその後ECサイトを訪れた人の行動の解析が可能になることで、その人にとって最適な商品やイベントなどの紹介が可能になる。オフラインでのデータもオンラインの体験向上に役立てることができ、ECでも商品知識を持ったスタッフが接客しているようなコミュニケーションが可能になるなど、より細やかなブランド体験の提供が望めるとしている。


▲トライアル概要

NRIデジタルとプレイドは、オフラインとオンラインの様々な接点における顧客体験をシームレスにつなぐ共通基盤の開発、およびその活用支援を共同で展開しており、主に店舗における行動データの解析をNRIデジタルが開発したSaaSインテグレーションサービス「OMO OnBoard」、ECにおける行動データの解析とオフラインとオンラインのデータの統合をプレイドの提供するCXプラットフォーム「KARTE」が担う。

三陽商会では、各顧客接点における顧客体験の分断を課題としていたとし、今回のトライアルによりこの課題を解消し、より顧客本位の体験実現を目指す考えだ。本取り組みを通じて、「CB CRESTBRIDGE」の「お客さまのすべての日常に寄り添う」というコンセプトを体現した、新たな店舗体験の実現を推進するとしている。

今後は、店舗の在庫データもリアルタイムに統合し、商品の在庫状況と顧客の行動やライフスタイル・年齢・体型などの顧客情報を複合的に組み合わせることで、お気に入り登録商品に基づいた来店促進や、来店者への「お客さまのすべての日常に寄り添う」ための商品提案などを目指す。

さらにプレイドのCXプラットフォーム「KARTE」により、顧客行動を解像度高く可視化。一層深い顧客インサイトを得ることで、デジタルマーケティングだけでなく商品の開発や店舗体験の設計など、あらゆる事業活動の中心に顧客理解を据え、ブランドの理念追求と事業推進を加速していくためのトライアルと位置付けるとの考えを示した。



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