2022.04.14

東洋新薬 、「売れる」商品の開発を総合支援、「クイックラボ渋谷」を本格稼働

小林伸次取締役


健康食品・化粧品の総合受託メーカーである東洋新薬は、「売れる」化粧品・健康食品づくりを、開発・製造から、製品デザイン、物流サービスの提供に至るまで一気通貫で支援する総合サポートサービスを提供している。同社ではその一環としてこのほど、東京・渋谷で、商品開発専用の施設「クイックラボ渋谷」の本格稼働を開始した。同施設では、化粧品・健康食品について、顧客企業と一緒に試作・開発を行える。「見せるラボ」としての機能も備えており、顧客企業がテレビ通販やECを展開する上で、大きな味方となりそうだ。一方同社では、通販ビジネスを成長・拡大させるヒントを掲載した情報サイト「通販ビジネスステーション」の運営も行っており、多くの通販・EC事業者から注目を集めている。同社の小林伸次取締役に、化粧品分野での通販・EC支援について話を聞いた。

巨大な「見せるラボ」、渋谷のど真ん中に出現


――化粧品分野での通販・EC支援について聞きたい。

当社では、化粧品受託製造の分野においても、顧客企業の支援体制を充実させている。中でも、通販・EC企業の支援は特に重点的に強化している分野だ。
顧客企業支援の一環として当社では2月14日、東京・渋谷に開設した商品開発施設「クイックラボ渋谷(QLS)」を本格稼働させた。
渋谷の住友不動産渋谷ファーストタワー内にある東京支店の一画に設置したQLSのラボ面積は287平方メートル。テニスコート1.5面分の広さを備えている。渋谷のど真ん中に、これだけの広さのラボを設けている受託製造企業は他にないのではないか。


▲ラボ全体

――QLSではどのような取り組みが行えるのか。

QLSは、試作機器だけではなく、検査・評価設備も充実させている。佐賀県にある本部と同等の商品開発能力を備えており、試作・評価・エビデンス取得が可能だ。顧客企業とともに化粧品や健康食品の開発・試作を行うこともできる。豊富な知見を備えた商品・処方開発専門スタッフが常駐するため、その場で、開発時の悩みを解決できる。

「見せるラボ」としての機能を備えていることがQLSの最大の特徴だ。ラボでの取り組みを、動画や写真として撮影し、テレビショッピング番組やユーチューブ番組、チラシなどでの販促に活用することもできる。インフルエンサーと一緒にQLSで商品を開発し、研究結果を動画で見せながら商品を訴求するといったことも可能になる。

QLSがあることによって、試作出しなどを含めて、首都圏顧客に対する、よりスピーディーな開発提案も可能になる。これまでは佐賀・鳥栖の本部で試作を行っていたため、中2日のタイムラグがどうしてもかかってしまっていたが、開発の迅速化につながる。QLSにお越しいただければ、試作した商品の色・香り・テクスチャーなどをその場で確かめながら、イメージ通りの開発を迅速に進めることができる。


VISIAでシミ、シワ、毛穴の解析も


――QLSにはどのような研究設備を導入しているのか。

化粧品評価の分野でいうと、例えば肌画像診断装置「VISIA(ビジア)」を導入している。シミ、シワ、毛穴、キメ、肌年齢といった各項目の詳細な分析が可能だ。化粧品を塗布して1~3カ月後の肌状況を確認するといったことも可能。結果を、動画などで、誰が見ても一目で分かる形で示すことができる。
デジタルマイクロスコープも導入している。簡単にいうと超高性能な顕微鏡だ。例えば、キューティクルの状態を拡大して見たり、皮膚のキメの状態を細かく調べたりすることが可能だ。

簡易型SPFアナライザーも設置しているため、インビトロSPFなど、化粧品のUV性能を調べることができる。一般的に化粧品は、SPF値を高めるほど、感触が悪くなりがちだ。QLSにお客さまにお越しいただければ、何度も試作を繰り返しながら、SPF値と感触のバランスを確認していただくことができる。満足度の高い化粧品の迅速な開発につながる。


▲化粧品評価機器

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