2022.04.08

大日本印刷、ヘルスケア領域の情報銀行サービス「FitStats」を開始 最適な商品やサービスの情報を提案

大日本印刷は4月6日、生活者本人の同意を得て預かる属性情報や、食事・睡眠・運動・メンタル等のヘルスケアデータを活用して、生活者の属性や興味・関心に合わせて最適な商品やサービスの情報を企業から届ける健康データ利活用サービス「FitStats(フィットスタッツ)」の提供を開始した。FiNC Technologiesとの協業によるもので、生活者は、累計1100万以上ダウンロードされたFiNC社のヘルスケア・フィットネスアプリ「FiNC」内から利用が可能。自身の健康状態をスコアリング・可視化できるなどのメリットがあり、個々に最適なコンテンツを提供したい企業と、生活者の双方コミュニケーション実現する。自身のデータを預託して便益を得る「情報銀行」の利用意向の高まりに対応する。

大日本印刷がスタートした「FitStats」は、2021年に業務提携したFiNC Technologiesとの協業によって開発したヘルスケア領域の情報銀行サービス。「FitStats」を利用する企業は、専用の管理サイトで、利用者の同意のもとで得た食事・睡眠・運動・メンタル等に関するデータや属性情報、生活習慣、余暇の過ごし方など108項目のパーソナルデータから利用者を分析し、マーケティングデータとして活用することができる。アンケート機能で利用者のニーズをより深堀りし、自社の用途に合わせたデータへ深化させることも可能となっており、これらのデータをもとに利用者をさまざまなセグメントに分類し、ひとりひとりに最適なコンテンツを配信することができる。

「FitStats」は、すべてのデータを安全・安心な日本国内のサーバー環境で保管して運用。総務省と経済産業省による「情報信託機能の認定に係る指針」をもとに、日本IT団体連盟が定めた情報銀行認定基準に従ってサービスが設計されているため、高いセキュリティ環境の中で利用者にダイレクトにマーケティング活動を行うことができるというメリットも備える。企業の利用料は、30万円/月+従量課金となる。

一方、「FitStats」を利用する生活者は、自身の属性や趣味・趣向に関するデータや、食事・睡眠・運動等に関するライフログデータを「FitStats」に登録する。この登録データをどの企業に提供するは自身で選択できるため、自ら望んだ企業のみから自身の興味・関心に最適な情報を受け取ることができる。例えば食品メーカーを選んだ場合、提供データから導かれたお薦めの健康食品等が提案される仕組みだ。

登録・預託したヘルスケアデータや「FiNC」アプリのライフログデータをもとに、自身の健康状態をスコアリングすることも可能。「FitStats」が配信する専門家監修の食事・運動・睡眠・カラダ・メンタルの5カテゴリーの「プログラム(ミッション)」に取り組むことで、体と心の両面で健康増進につなげることできるとしている。「FitStats」独自のポイントシステムも用意しており、利用者は、スコアリング結果やオファーの閲覧などによってポイントを取得できる。貯めたポイントは、FiNC社のECサイト「FiNC MALL」や大日本印刷が運営するハイブリッド型総合書店「honto」で使えるクーポンに交換できるほか、多様な提携先の特典と交換できるというメリットもある。生活者は、累計1100万以上ダウンロードされたFiNC社のヘルスケア・フィットネスアプリ「FiNC」内から「FitStats」のサービス利用でき、利用料金は無料。



近年、スマートフォン等の情報端末やIoT(モノのインターネット)環境等が普及し、生活者の属性情報や行動・購買履歴、健康データなどの大量のパーソナルデータの蓄積が進むなか、生活者自身がこれらのデータを管理・活用したいという要望が高まっている。総務省の調査によると、生活者の意思で自身のデータを預託して便益を得る「情報銀行」の利用意向が高まっており、特に健康に関わる分野のニーズが高くなっているとし、こうしたニーズに対応するため、FiNC社の協力を得て、ヘルスケア領域の情報銀行サービス「FitStats」の開発に至ったとしている。

大日本印刷は、FiNC社の協力のもと、初年度50万人、2023年度内に100万人以上の「FitStats」利用者獲得を目指す考え。情報銀行事業をさらに推進し、ヘルスケア領域から、将来的にはさまざまな事業領域へとサービスを拡張することにより、生活者の安全・安心なデータ流通社会を実現していくとしている。




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